テーマ 喪失感
幸せなんて無かった。
僕のようなただ影にいる子供は世間からの光を浴びたことなんて無かった。怒鳴りつけられ、怒られて、ただただ過ぎ去ってほしい日々が続いていた。
「こっちの世界においで?」
一人の子どもが言う。僕にはそっち側へ行く権利などない。
でも、一歩踏み出そうとした。
「「「お前なんか」」」
「「「なんで」」」
「偽善者なのにw」
一人の少女が僕を見て笑っていた。
憎かった。僕の気持ちなんか知らずに、他人の言葉を信用して僕のことを嘲笑っているのが。
羨ましかった。そんな笑い話のように過ぎていく毎日が。
「取り返しが付かないや..w」
真っ赤に染まってる一人の少女。息はもう無い。
決めた道だから戻らない。いや、戻れない。
おわり
9/11/2024, 9:53:09 AM