※お題に合うおはなしが思いつかなかったので、今回のお題「明日世界が終わるなら」をテーマにうちの子たち数人を集めて座談会をしてもらいました
※うちの子たちの解像度を上げる目的も兼ねています
#本日の月園家 (←一応これを判別タグとします)
▫記念すべき第1回目のゲスト▫
同じ高校組 (宮前悠、久谷響、佐橋碧生、鷹宮颯人)
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はるか「てなわけで、はい。明日世界が終わるならどーするよ?」
ひびき「俺は悠の手作り唐揚げを死ぬほど食う!!(ドヤァ) 」
はるか「響…お前普段から食うことばっか考えすぎだろ(笑)」
はやと「オレは〜…そーだなぁ…世界が終わるギリギリまで佐橋と過ごしま〜す!(*`・ω・´)」
あおい「…先輩が2人いる前で小っ恥ずかしいこと言わないで、鷹宮…」
はやと「えぇ〜!?佐橋はオレといっしょにいたくねーの!?(߹ㅁ߹)」
あおい「…別に…そうとは言ってないけど」
ひびき「おーおー、仲良いなぁお前ら!」
はるか「へぇ?佐橋と鷹宮って前からそんなに仲良かったっけ?」
あおい「なんというか…そもそも性格が違うから最初はそんなに仲良くなかったんですけど、お互い恋愛に興味ないってことで意気投合したんですよね」
ひびき「うははは!仲良きことはなんとやらだな!」
はやと「そーいえば、宮前先輩は明日世界が終わるなら何するんすか??」
はるか「んー…明日世界が終わるなら…」
ひびき「うんうん」
はるか「そうだな…俺も響と一緒にいることを選ぶと思う」
ひびき「ば…っ!!バッッカ!!あんたなぁ…いきなり何言い出すんだ!!」
あおい「…もしかして、宮前先輩と久谷先輩もそういう関係なんですか?」
はるか「現時点では相棒以上恋人未満、って感じ」
はやと「んえっ!?先輩たちって付き合ってなかったんすか!!?」
はるか「ん?付き合ってるみたいに見えてたか?」
あおい「僕も…てっきり既に付き合ってるのかと思ってました」
ひびき「はははは!もしかしたらお前らの気づかないうちに付き合っちゃったりしてるかもな!」
はやと「えーーーっ!?」
あおい「…やっぱり、明日世界が終わるなら大切な人といるほうがいいですよね」
ひびき「悠と一緒なら無敵になれる気がするぜ!」
はるか「響、それは大袈裟すぎ。でもまぁ、1人で死ぬより全然いいよね」
はやと「最強の味方が隣にいるだけでだいぶ違うっすよね!」
ひびき「それな!」
はるか「そう考えるとさ、響の最初の何?明日世界が終わるなら俺の唐揚げを死ぬほど食うって」
ひびき「あんたそれ今掘り返すことかぁ!!?」
はやと「wwwwwwww」
#佐橋と鷹宮 (BL)
Side:Aoi Sahashi
…あぁ、どうしよう。
鷹宮にノープランで告白してしまったのは僕だが…あれから彼とどう接すればいいか分からない。
「…何故あの時、僕は…」
あの日から数日経った日の放課後、図書室の隅にある特等席で僕は頭を抱えていた。
鷹宮はこれからも一緒にいてくれると言っていたし、ここ数日もいつも通りだったが、もし彼が本当は僕のような男に告白されて気持ち悪いだなんて思っていたら?
…嫌だ、やっぱり想像したくもない。
僕は館内に誰もいないのをいいことに大きなため息をついた。
「佐橋~?そこで何してんの?」
「…!」
まさか鷹宮が僕を探しに来るとは思っていなかったので、僕は慌てて両手で口を塞ぎ、大きな本棚の列の間に隠れた。
どうする?どうすればいい?
数日前の告白について改めて謝るべきか?
ダメだ…怖い…。
「佐橋み〜っけ♪なぁにやってんの〜?」
「…な…何でもない。僕はいつも通り読書をしていただけで」
「こんなとこに隠れてか〜?佐橋の特等席ってあっちじゃね?」
「…それは…」
…近い。近すぎる。鷹宮との物理的距離が近づく度に、僕の心臓の鼓動も速くなっていくのを感じる。
好きだ…僕はやっぱり、鷹宮が好きなんだ。
僕は本を元の場所に戻すふりをして、さりげなく彼から視線をそらした。
「…佐橋ぃ〜、なーんでこっち見てくんないの〜…?」
「…ごめん。やっぱり、あの日すぐに謝るべきだったね」
「へっ?え、待って?急になんの話??」
「無理していつも通り接してくれなくていいよ。僕があの日、あんな流れで告白なんてしなければ…」
「ちょちょちょちょ、ストーーーップ!!一旦落ち着こう!な??」
本当のことを知るのが怖くて、傷つくのが怖くて、僕はまた1人で自己完結させようとしてしまった。
僕は小さなため息をついて、ゆっくりと鷹宮のほうへ向き直った。
「…正直に教えてほしいんだ、鷹宮。あの日…僕に告白された時、本当はどう思った?」
「え?いや〜…うん、ビックリはしたぞ!でもなぁ、なんか…へへっ」
「…?」
鷹宮は最後まで言い切る前に、じっと僕の目を見つめ、それから恥ずかしそうに笑った。
…その反応は…彼に嫌われてはいない、ということなのだろうか?
ところが、鷹宮からはまた違ったベクトルの予想外な答えが返ってきた。
「んーとさ、オレ時々彼女欲しい〜とか言ってたじゃん?」
「…確かに言っていたね」
「あれホントはそういうの匂わせる気とか全くなくってさ、なんつーか〜…わざと彼女欲しい〜って言ってみることで佐橋の反応を見てたっつーか〜…」
「…え?」
────────ドクン。
期待したら余計に傷つくだけだ。だからまだ平常心でいた方がいいと分かっている。分かっているのに…。
僕は期待に脈打つ胸の鼓動を押さえつけて、鷹宮の次の言葉を待った。
「オレたちってもともと恋愛とか興味ない者同士だったじゃんか?だからなんか、もしオレが佐橋のこと好きになった〜とか言ったら、お前が逆に混乱しそうだと思ったんだよ…」
「…え」
「でもそんな時に先にお前に告白されたもんだから、マジでビックリしたわ〜!オレだけが一方的に佐橋を好きになってたわけじゃなかったんだな〜って!」
「…待って…待ってくれ、じゃあ…」
…鷹宮も、僕を好き…だったのか?
僕は嫌われていなかった…?
安心した瞬間に目の奥がツンと痛んで、視界がふわりと曇った。
「へへへっ、なぁに泣いてんだよぉ〜!」
「…泣いてなんかない…!」
「オマエの鉄壁の無表情が崩れる瞬間がそんなに可愛いとは思わなんだ!新発見♪」
「…と、突然可愛いなんて言わないで…混乱する…」
…どうしよう、すごく幸せだ。
かつてこんなに幸せな気持ちになったことがあっただろうか?
ずっと隠し続けていた鷹宮への "好き" が溢れて止まらない。
そうか…これが恋なんだな。
胸に片手を当てて、僕は必死に自分を落ち着かせた。
両想いだったことが分かって舞い上がるなんて、僕のガラじゃない。
「すっげー可愛いと思ったから可愛いって言ったんです〜!からかってるとかじゃないで〜す!」
「からかってるわけじゃないことは分かってる、でも…突然言われるとだな…」
「お?お?佐橋、なんか耳赤くなってね??」
「頼むから、今は僕をあまりじっと見ないでほしい…」
「へっへっへ〜、やなこった!!」
「お前っ…!」
きっと叶わない恋だろうと、ずっと隠し続けていくつもりだったこの想い。
ところが奇跡が起きて、僕と鷹宮の想いが通じ合った。
…鷹宮。君と出逢ってから、僕は変わった。
もうこれ以上、気持ちを隠す必要はない。
「佐橋」
「…?」
「これからもずーっと、一緒にいような!」
「…ふふっ、当たり前だ。後でやっぱり嫌だと言っても、もうお前から離れてやらないからな」
【お題:君と出逢って】
◾︎今回のおはなしに出てきた人◾︎
・鷹宮 颯人 (たかみや はやと) 攻め 高1
・佐橋 碧生 (さはし あおい) 受け 高1
#お嬢と双子 (NL)
Side:Momiji Narumi
「楓~、このペンケース何色が好き??」
「うーん…青かな。椛は?」
「お〜!オレは赤派!どーする?買っちゃう?」
「あはは、決断早すぎ。ペンケースは入学式の前の日に買ったばかりだよね?」
「あ、そーだった!」
今日は高校に入学してから初めて過ごす休日。
オレと楓はいつも遊びに行くショッピングモールでいつものように双子デートを楽しんでいた。
オレたちは小さい頃から当たり前のようにものをお揃いにしていて、色違い、柄違い、シンメトリーなどなど、双子コーデはほぼ制覇してきた…と思う。
何でもいつも一緒で飽きないの?とかよく聞かれるけど、オレは全っっっ然飽きたことがない。
…って!オレが語りたいのはオレたちのことでは!!ない!!
オレが語りたいのは…最近出会ったちょっと不思議な先パイのことだ!
「…!?楓!楓…!!」
「…え、何?どうしたの椛?」
ちょうど語りたいと思った時に、なんと先パイ本人がオレたちの近くを歩き去っていった!なんてタイミングだ!!
その不思議な先パイはいつも無表情でクールなオーラを纏っていて、オレと楓よりもちょっとだけ、ほんの数センチだけ背が高い。
まさか休日に会えるなんて!
オレの好奇心センサーがビンビンに反応している!
「追いかけよう楓!!」
「えっ!?ちょっと待って椛、追いかけて何する気?」
「とにかくレッツゴーだ!!」
オレは慌てて文房具コーナーから出て、先パイの歩いていった方向へダッシュした。
先パイは長い廊下を歩いていった先のベンチに座って休憩しているようで、黒いショップバッグを膝の上で大事そうに抱えていた。
「先パ〜イ!こんにちは〜っ!」
「…あ…あなた方はあの時の」
「そっす!オレが成見(なるみ)椛で〜」
「俺が楓です、こんにちは先輩」
「ワタシは…帯刀雅です」
くっっっ!名前まで超クールだ!!
そして完全オフの先パイもすっげーキレイ!!
もはや楓がどれだけ止めようと関係ない。オレはオレの好奇心には逆らえない。
仲良くなりたい…!!
オレはその一心で、無表情を崩さない帯刀先パイに近づいてみることにした…が。
「…すみません、ワタシはこれから行きたいところがありますのでこのへんで失礼します」
「えっ!?先パイ!?」
「あーあ、椛ってば…」
オレのとっておきのトモダチ大作戦を実行に移そうとしたところで、帯刀先パイはまたそそくさと人混みの中へ消えていってしまった。
「もしかしてオレ…避けられてる!?ガビーン!」
「椛のそのノリが合わない…とか?帯刀先輩、見るからに騒ぎたいタイプじゃなさそうだし」
「そんなっっ!!オレのトモダチ大作戦が失敗したことは今までなかったのに!!!!」
「じゃあ、今度会った時にもうちょっと落ち着いて話せばいいんじゃない?」
「それだ!!」
…そうだな!今回は友達になりたいがあまり色々急ぎすぎた!!
どうやら帯刀先パイと仲良くなるには、大股一歩でいくよりも一歩一歩少しず〜つ距離を詰めていくほうがいいらしい。
だが!こんなことでめげるオレでは!ないっ!!
先パイの背中を見送ってから、オレと楓はカフェで作戦会議をすることにした。
「よ〜し、改めて作戦会議するぞーっ!この作戦は2人だけの秘密な!」
「言わない言わない。それと、椛さっきから全然落ち着けてないよ」
「マジ!?えーっ!?…落ち着くってどうやんの?」
「…俺の真似をするとか?」
「真似かぁ…え、ムズッ」
「何故??」
賑やかなカフェの中で、オレたちは結局夕方まで作戦会議をした。
語って語って語りまくって判明したことは、オレも楓も帯刀先輩に興味の矢印が向いていること。
でもそれも、オレたち2人だけの秘密。
【お題:2人だけの秘密】
◾︎今回のおはなしに出てきた人◾︎
・帯刀 雅 (おびなた みやび) 高2 お嬢様学校から転校してきた
・成見 椛 (なるみ もみじ) 高1 楓の双子の兄(一人称がオレなほう)
・成見 楓 (なるみ かえで) 高1 椛の双子の弟(一人称が俺なほう)
#想いを拗らせすぎた元暗殺者の話 (BL)
Side:Isaia Chiarugi
俺は首都郊外に住む、しがない花売りだ。
そんな俺だが…誰にも言えない秘密がある。
「なぁアロルド、いったいお前はどこをほっつき歩いてるんだ?」
「俺の電話番号をどうやって手に入れたんだ?悪いが俺はもう裏稼業から足を洗った身だ。依頼なら他の奴を当たってくれ」
「お、おい!組織裏切るってことはお前の命が…!」
「構わない。それもまた、俺が今まで手を血で汚してきた報いだ」
「考え直せ!あのボスがお前が生きてるってことに気づいたらマジで半殺しじゃ済まなくなるぞ!」
「それでもいい。…じゃあ、そろそろ切るぞ」
いつものように商品の花を手入れしていると、かつての仲間から約半年ぶりに電話がかかってきた。
…そう。俺は1年前まで、貴族の財産を狙っているとあるマフィアに「アロルド」の名で暗殺者として雇われていた。
報酬を得るためだけに、感情を捨てて何人もの貴族様を殺した。
そんな俺が雇い主を裏切って花売りになったのには、1人の男が関係している。
「やぁ…イザイア」
「…何故わざわざここに来たんだ、レノー」
「この1年間ずっと、君を探していたんだ。まさかここで花売りをしてるなんて知らなかった、やっと会えた…」
「…帰ってくれ…」
「どうして?何かあったの…?」
「帰れと言ってるんだ…!!」
莫大な財産を隠し持っていると噂のシャサーヌ侯爵家の次男、レノー・ブランシャール。
俺が5年前に任務で潜入した侯爵邸のパーティーで出会った、真面目で純粋で、なおかつ優しすぎる男。
俺が何も言わずに組織を離れたのは、暗殺者でありながらターゲットの彼を愛してしまったからだ。
シャサーヌ侯爵家殺害計画を完遂するためにわざわざあの手この手でレノーと仲良くなって、計画のためならばと彼のボディーガードにもなった。
…そこまでしたのに、俺は結局殺せなかった。レノーの胸に銃口を向けても、引き金にかけた指が震えた。
キスを求め合う中で彼の胸にナイフを突き刺すことだってできたはずなのに、出来なかった。
それで俺はターゲットに必要以上の感情を抱いてしまった自分に嫌気がさして、レノーの前からも姿を消した。
…なのに今、かつて愛した男が俺の目の前に立っている。
隙あらば何度も殺そうとした俺が、今更許されていいはずがない。
俺はぶっきらぼうな声でレノーを拒絶した。
「…帰らないよ、イザイア。君を連れて帰るまで」
「やめろ!俺を許そうとするな!!」
「でも君はあの日、僕と僕の家族を殺さなかったじゃないか。さぁ…一緒に来て。僕なら君を追っ手から守ってあげられる」
「…黙れよ…!」
俺だって本当は愛してるって言いたいし、もう二度と離さないって抱きしめて、またあの頃のようにキスを求め合いたい。
でも…それはもう無理だ。レノーは裏社会のうの字も知らない清廉潔白な侯爵家のお坊ちゃんで、俺は仕事で何人も人を殺している元暗殺者の庶民だから。
最初から俺に幸せになる資格なんて、なかったんだ。
俺は小さく舌打ちをして、手入れをしていた花へと視線を戻した。
「…君を愛してる気持ちは変わってないよ…イザイア」
「…」
「僕は君の目的を知ったあの日から君を許していたよ、だから…」
「…っ」
もうお前を抱くなんて無理なんだと拒絶したいのに、心も体もレノーのぬくもりを求めている。
こうして葛藤している今も、自分の心臓の鼓動がうるさすぎて嫌になる。
「…こんな俺に優しくしないでくれよ、頼むから…」
俺は花の手入れをしているふりをし続けながら、掠れた声で呟いた。
【お題:優しくしないで】
◾︎今回のおはなしに出てきた人◾︎
・イザイア・キアルージ (Isaia Chiarugi) 攻め 28歳 元暗殺者
・レノー・ブランシャール (Reynaud Blandchard) 受け 28歳 侯爵家の次男
#歌が繋いだ恋のはなし (NL)
Side:Nagi Tenzen
「もしもーし、静那ちゃん?起きてる?」
「…」
「ふふっ…おやおや、寝落ちしちゃったか」
リビングで2人で映画を見ていたら、いつの間にか静那ちゃんは寝落ちしていた。
初めて僕の家に遊びに来た時はガチガチに緊張していたのに、今ではこうして自分の家のようにくつろいでくれるようになって…ああもう、なんて可愛いんだ…!
「…そっか、もうこんな時間だもんね」
時刻は午前0時。明日は久しぶりに2人揃って休日を過ごせるからと、夜更かしする気満々だったんだっけ。
眠気に勝てなかった静那ちゃんの頭をそっと撫でてから、僕は彼女をお姫様抱っこしてベッドまで運んだ…が。
「…ん〜…」
「…!静那ちゃん?」
…予想外なことが起きた。
静那ちゃんをベッドに降ろそうとしたところで、彼女は目を覚ましてしまった。
寝起きのぽやぽやとした表情で僕を見上げる静那ちゃんの顔が、少しずつ赤くなっていくのが分かった。
「…!?な、凪くん!?ごめん、私寝てた…!?」
「電池が切れたみたいに寝落ちしてたよ。ごめんね、ベッドに寝かせようと思ったんだけど…」
「お、おおおおお姫様抱っこって…!ほあああ…!!」
同じことの繰り返しになりがちな僕の日常をカラフルに彩ってくれる、彼女の言葉や反応ひとつひとつが愛おしくてたまらない。
明らかにお姫様抱っこをされたことがないと分かる反応で、はぁ…もう、可愛すぎる…。
…なんて思っていたら、ちょっとだけイジワルがしたくなってきた。
「あ、あの…あの、凪くん…?」
「…えっと…静那ちゃんの反応が可愛すぎるから、もうちょっとこのままでいてもいいかな?」
「んえええ…!?」
【お題:カラフル】
◾︎今回のおはなしに出てきた人◾︎
・天善 凪 (てんぜん なぎ) 24歳 シンガーソングライター
・木田 静那 (きだ しずな) 24歳 花屋さん