『1件のLINE』
ーーピロン。
今から寝るところだと言うのに、スマホがくらい中を照らしながら鳴った。
「ん〜……なに……?」
不機嫌に呟きながら、眩しいスマホの画面を覗く。
目に入ってきたのは仲のいい親友からのLINEだった。親友のLINEの通知にはこう書いてあった。
『もうオレ、疲れた。ってことでさようなら』
意味のわからない、怖いLINEの通知に俺は目を覚ました。
そして、急いで通知をスワイプしてLINEを開き、親友にLINEを飛ばした。
『は?おい、なんだよこれ』
親友からの既読、返信を待つ。
待ってる間、胸は心臓の動きが激しいせいか、いつもより痛く感じる。ドクン、ドクンと、激しい鼓動を起こす俺の心臓。
早く、早くついてくれ。既読。
早く、見てくれ、親友。
ーーーーあれから、何十分と経ったが親友からの既読は来なかった。
あいつは死んだのか。そんな不謹慎の考えが俺の頭の中を過ぎる。死んだのか、本当に、あいつは。嘘だ。あいつが死ぬわけない。自殺なんてするわけがない。
だから大丈夫だ。そう、きっと、大丈夫。
大丈夫だ、きっと。
アイツは、また明日、笑顔でおはようと。昨日のLINEビビった?と、俺を嘲笑ってくるはずだ。そうだ、だから……大丈夫。
そう思いながら、ただひたすら親友からの既読を待つ。
ーーーー気づけば時刻は朝の六時。
学校だ、行かなければ。
そう思い、朝の支度をする。
顔を洗い、朝ごはんを食べ、支度をして、七時に家を出る。
そして数歩歩けば後ろから、突然に肩を叩かれ振り向けば親友が「おはよう」と、「昨日のLINEビビった?」と、俺をからかって、嘲笑って……くる、はずだろう。
「なぁ、早く来てくれよ。俺、遅刻しちまうよ」
『日の出』
冷たい、ひんやりとした風がふわりと一風、温もりを持った頬をかすめる。
「さむっ…」
そう言う、鼻の赤いトナカイのような彼女はとても可愛らしく、僕にはもったいないくらいだった。
赤い鼻の彼女に、僕は羽織っていた上着を取っては彼女にふんわりと羽織らせた。すると彼女は驚いたような顔をしたあと、優しく微笑み僕に優しくこう言った。
「ふふっ…ありがと!」
「…どういたしまして、早く陽、出るといいね」
「…そうだね〜」
そんな呑気な会話をしていると、ゆっくりと東の方から光が出てくる。
「あっ!太陽!」そう喜ぶ彼女を見ては、僕も再度東の方へ目線をやり、「ほんとだ」と目を輝かせた。
ゆっくりと太陽が昇っている時、僕ら以外に東を見ていたみんなはスマホをポケットから出してはカメラを東の方へ向けた。中にはピロンっと録画音を立てる人も。
「ね、私達も写真撮ろ!」
「そうだね、撮ろ!」
そう言って、僕らはみんなと同様スマホを取り出し、東へとカメラを向ける。
ふふ、と微笑んだ時に出る息は太陽から出る光のおかげか、白く見えた。
太陽が昇り始めて体感数十分、僕らの周りに居たみんなは満足したのか「綺麗だったね〜」と感想を各々呟いては太陽に背を向けた。
そんなみんなにつられ、僕は身体ごと彼女の方へ向かせる。すると彼女も身体ごと僕の方へ向かせ、僕から話を振りかける。
「…僕らも帰る?」
「そうする…さすがに寒いや…」
そう言ってにへっと笑う彼女に僕は「可愛い」という感情が爆発しそうなほど心臓を鷲掴みにされる。
「っ…」
あぁ、耐えられない。どれだけ可愛いんだきみは。
そう思い、息を飲み、彼女の顔の頬に手を添え、彼女の顔に僕の顔を近づける。
そして、目を瞑り、唇を重ねる。
唇を重ねて数秒後、僕の唇を彼女から離し目を開けると彼女はポカーンとした、間抜けた顔をしていた。
そんな顔に僕はうっかりと笑みが溢れる。
「ふふっ…」
「……っえ…な…」
やっと喋った、と思いきや頬を赤らめながら吃る彼女。
「…っもう!いきなりはだめだよ!?」
「んっふふ、ごめんってば」
そうやって戯れ合いながらも、太陽に背を向け我が家へと帰るのであったーー。
一日遅れではありますが、あけましておめでとうございます。
私の今年の抱負は、「小説を書いてファンを増やすこと」、です。
何とも言えない抱負ではありますが、何卒よろしくお願いします。