遠い日の記憶
俺はあなたに初めて会ったはずなのに初めてな気がしない
ずっと、ずっと前からあなたを知っている気がする
「ら、ん…?」
初対面のはずなのにあなたは俺の名前を知っていた
「い、るま…?」
初対面のはずなのに俺はあなたの名前を知っていた
なぜだろう涙が溢れだしてくる
ずっとあなたに見つけてもらえる日を待っていた気がする
「来世でも俺の事みつけてね!」
初対面のはずなのに君と約束したあの瞬間の記憶が鮮明に蘇る
この記憶はなんなのだろうか
前世の記憶だとでも言うのだろうか
頭の整理が追いつかないでいるとあなたは、いるまは、
「ずっと、ずっとお前に会いたかった気がする」
と言い俺を優しく抱きしめた
初対面なのに抱きしめられたことが嫌じゃなくて、むしろ嬉しくて俺もあなたを抱きしめ返した
「もういるまの側を離れないから!」
気づくと俺はそう口にしていた
空を見上げて心に浮かんだこと
雨の日、空を見上げるとあいつの耳元で揺れていたしずく型の耳飾りを思い出す
曇りの日、空を見上げると風になびくあいつの水色がかった銀色の髪を思い出す
晴れた日、空を見上げるとキラキラと輝くあいつの水色の瞳を思い出す
昼間の太陽の光はあいつの笑顔を思い出させる
夜の月や星はどんな暗闇からも俺を救ってくれたあいつを思い出させる
空を見上げるといつもあいつのことが心に浮かぶ
その度にあいつに二度と会えない現実に押し潰されそうになる
それでも俺は生き続ける
それがあいつの願いだから
七夕
『俺の愛する人が幸せでありますように』
俺の手では幸せにしてあげることが出来ないほど遠くへいってしまった君を想い短冊に願いを書いた
確かめる方法なんてないけど、叶ってるといいな
友達の思い出
俺が友達関係の思い出を思い出すと必ずお前が思い浮かぶ
ついこの前までは友達だった
いや、親友だった
でもその頃の関係にはもう戻れない
それでいい
だって今は恋人だから
これからは恋人としての思い出をつくっていこう
星空
「みことちゃん!あれ夏の大三角だよ!」
そういう君のキラキラとした表情が俺は大好きだ
正直星よりも君をずっと見ている
ふと目が合った
「ねぇ、そんなに見られるとちょっと恥ずかしいんだけど…」
暗闇でよく見えないけど君の頬がほんのり赤く染まっている気がした