あなたがいたから
俺にとって一番大切な人
いるまがいたから今の俺がいるの
いるまが褒めてくれるのが嬉しくていっぱいいっぱい努力した
いるまの隣がふさわしい自分でいれるようにいっぱいいっぱい努力した
いるま、いつもありがとう
あなたがいたから俺は今とっても幸せだよ
相合傘
なつくんはよく傘を忘れる
だから雨の日はこさめと相合傘
俺の方が背が高いからって言っていつも傘を持ってくれる
「なつくん、濡れてない?」
「あぁ、全然」
見えないと思っているのか見えているのを知ったうえでなのかは分からないけどなつくんはいつも嘘をつく
なつくんの嘘はとっても分かりやすい
こさめが濡れないようにって傘をこさめの方に傾けてくれてるの知ってるよ
あなたの肩がびしょ濡れなの知ってるよ
こさめだってなつくんに濡れてほしくない
だから、いつもは恥ずかしくてできないけど今日はちょっと勇気をだした
いつもは少し離れているあなたとの距離を左に一歩寄ってみた
なつくんが少しでも濡れないように
あなたは一瞬目を丸くしそのまま顔を背けた
「なつくん、照れてる?」
「別に、」
なつくんはそう言うけれど耳が真っ赤だ
分かりやすい
やっぱりあなたの嘘はとっても分かりやすい
なつくんとの相合傘、小さな幸せを感じる大切な時間
未来
「ねぇ、いるま」
「なんだ?」
「もしさ、生まれ変わったら、何がしたい?」
病室のベッドでそう問いかけるらんはどこか遠くを見ていた。
「そうだなぁ、生まれ変わったなら…またお前の恋人になりたいな」
俺がそう言うとらんは瞬く間に耳まで真っ赤に染めた。
「えへへ、そっか、そっか!」
にこにこしながら嬉しそうにするらんはとても愛らしがった。
「じゃぁさ、来世でも俺の事みつけてね!」
笑顔なのにどこか悲しそうな表情、きっと自分の残りの命の短さを感じているのだろう。
「まかせとけ」
「いるま、指切りしよ!」
「次はもっと長い時間一緒にいような」
そして俺たちは遠い遠い未来の約束をした。
1年前
1年前はみことちゃんの隣も俺の隣も空いていた
横にならんで歩いてくれる大切な人はいなかった
でもそれが問題だなんて一ミリも思ってなかった
別に普通の毎日に幸せを感じていたから
でも今は違う
俺の隣にはみことちゃんがいて、みことちゃんの隣には俺がいる
君と一緒に横にならんで歩いていきたいと思っている
この今では当たり前、だけど特別な毎日に幸せを感じている
時々1年前を思い出して今の大切さを心に刻み込む
「みことちゃん、大好きだよ!」
「ぅえ!?お、俺も、大好き、だよ///」
これから沢山の愛を積み重ねていこう
好きな本
こさめの好きな本はシンデレラ。
理由は単純灰かぶりなんて呼ばれていた少女が素敵な王子様に見初められるなんて展開がとてもロマンチックだからだ
王子様が日陰から日向に導いてくれる
教室の隅にいる目立たないこさめにもそんなロマンチックな展開があったら、なんて夢をみてしまう
あわよくばその王子様がなつくんだったら、なんて夢をみてしまう
ありえないと分かっていても夢をみてしまう
なつくんはいつもクラスの中心にいるこさめとは真反対の存在
そんななつくんに優しくされると特別な意味はないと分かっていてもドキドキしてしまう
なつくん、あなたがこさめの王子様になってくれたらどんなに素敵なことでしょう
ねぇ、いつかこさめをあなたのシンデレラにしてくれませんか?