もうしわけない午後4時
誰に謝っているの
瞼が重くてよく前が見えない
ブルーライトの彼女のおやすみを聞く
彼女はそっと目を閉じで居なくなる
最後に鐘の音を聞いたのはいつで
誰かの声に触れたのはいつだろうか
そっとブルーライトの鐘が起こしてくれる
それは電子音の偽物で
でもそれで僕は十分で
もうしわけない午前4時を見る
あの鳴く蝉はいつ死ぬのかな
あの鳴くかえるは昔はオタマジャクシだった
あの鳴く男の人の日常なんて知りえはしない
あの鳴く僕は誰も聞こえない
誰も知りえないところで
鳴いて鳴いてないて鳴いてないて鳴いて
喚いて死んで壊して
そこで誰かが笑って眠る
さぞかし気持ちい人生で
つまらない事でも笑えるように
いつまでも鳴いてないてないてないている
うるさいボイスメールみたいに
つまらない事で笑えた日は命日だ
どうしても忘れられないあの子に会いに行ける日は
僕の死に花が枯れた時だろうか
蝉の声が消えた時、私もきっと鳴き止むだろう
やっと鳴き止んでくれた蝉は
僕の心にずっと残っている
でも君には残ることはなくて
君の心には何も無い
僕が死んだ時
君は泣かなかったから
僕が死んだ時
君は一緒に笑ってくれた
それは消して悲しくはない
切なげな笑顔を僕にみせてくれた
僕の死に花は咲かなかったけど
枯れることもなかったよ
目が覚めるまでに僕はしななくちゃいけない
水がぽたぽたと落ちる音がする
だらだらと流れる汗は気持ちが悪い
水が飲みたい、喉が渇いた
そういっても体は動こうとしない
波のようにぐにゃぐにゃした頭が揺れる
気づいたら4:36と出ているのに気がつくけど
何も出来ないままブルーライトの光を浴びる
カーテンが段々と明るくなるのに気がつく
恐怖は消えない
病室にいるかのように白いベッドは、暗闇に照らされて黒いベッドになる。
それは肌に触れると
涙で湿っているような感じがする
病室にいるかのような僕の寂しさは
注射で埋めることは出来ない
その部屋には消毒液はなくて
僕の涙の匂いだけで埋め尽くされたみたいだった
僕が呼んでも誰も来るはずもなくて
病室にいたおばあちゃんは来るはずもなくて
ただ1人寂しい僕は
またあの病室に身を委ねたい
夕日が落ちていくのを待っている
蝉の声は段々と減っていく
人は影と共に黒く塗りつぶされたように見える
僕の周りにも段々と黒が増えてきて
何も見えなくなる
僕がどこにいるのかも分からなくなる
月は目を閉じている。
僕はその時、独りな感じがする。
星は見えない
ただ孤独だけが僕の隣に座っている
隣にいてくれるから、僕は悲しくないんだと思う
もしかしたら、その隣にはカラスが居るのかもしれない
そこには真っ黒に塗りつぶされたキャンバスが置かれているのかもしれない。
存在するか分からないものに、僕は身を委ねられたら
寂しくないのかもしれない
夜という名の暗闇は、
たくさんの文字で塗りつぶされているキャンバスで、
水が垂れても、それは消えることはなくて。
でも、段々と後ろの蜜柑色が顔を出す。
消しゴムで僕は消せなんて言っていないのに
ひとりでに消されてしまう文字は、跡として僕の胸に書き込まれる。
僕の隣にはカラスもいなかったし
キャンバスもなかった。
そこにはただの孤独しかなかった。
でも僕はその孤独が好きだから、
ひとりでいたい。