六月の帰路

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水がぽたぽたと落ちる音がする
だらだらと流れる汗は気持ちが悪い
水が飲みたい、喉が渇いた
そういっても体は動こうとしない
波のようにぐにゃぐにゃした頭が揺れる
気づいたら4:36と出ているのに気がつくけど
何も出来ないままブルーライトの光を浴びる
カーテンが段々と明るくなるのに気がつく
恐怖は消えない

病室にいるかのように白いベッドは、暗闇に照らされて黒いベッドになる。
それは肌に触れると
涙で湿っているような感じがする

病室にいるかのような僕の寂しさは
注射で埋めることは出来ない

その部屋には消毒液はなくて
僕の涙の匂いだけで埋め尽くされたみたいだった

僕が呼んでも誰も来るはずもなくて
病室にいたおばあちゃんは来るはずもなくて

ただ1人寂しい僕は
またあの病室に身を委ねたい






8/2/2022, 5:31:22 PM