「バレンタイン」
「あ、なぁなぁ、千兎聖、今日なんの日か知ってる?」
「バレンタインか?」
「そうそう!俺作ったんだよ、寮に行って取ってくるから待ってて」
「…ん」
なんか、バレンタインとか愛を伝える人かなんとか
愛を伝えるって呪うって言うことになるんじゃないか?
別にいいけど…
「すぐるー、俺さめっちゃチョコもらっちゃった」
「ふーん、良かったね、食べるのかい?」
「ちょっと無理」
「草」
げっ…
五条先輩だ……早く虎杖戻ってこい……!
「あ、チビじゃんw、何やってんの?w」
「…アンタに関係ないでしょ」
「悟、言われてやーんの」
「う、うるっせぇ!//」
「そうだ、(ゴソゴソ)これ、」
「あ?」
「ん?」
「ご、五条先輩と夏油先輩に…、」
(チロルチョコ!)
※いつもはろんか作りますけど時間がなかったから
「は、はわわ//」
「女神」
チャンチャン
「待ってて」
あと一歩、あと一歩と…
足を止めないで、前へと進む
待ってよ、早すぎるよ、
悲しいという感情が言わんばかりに込み上げてくる
君に一歩でも良いから近づきたくて
歩くんだ
でも君は全然止まってくれなくて、ズンズンと
進んでいくから
どうやっても、追いつけないんだ
「待ってよ、行かないでよぉ……」
なんて言っても分かるはずないのに
思わずこう言ってしまったんだ
「和菜さんに追い付くくらいに強くなって魅せます」
「…うん、何処までも着いてきて追い付くくらいに」
「それまで、『待ってて』くださいね」
「ふふっ、幾らでも待つよ」
なら、今度は歩くんじゃなく走るよ
君に、和菜さんに追い付いてやる!
「伝えたい」
「せ、んせぇ…グスッ」
なんで、言えなかった……分かっていたのに
言えなかった、言えなかった……
「今、此処で言います…グスッ、好きです、好きだからぁ、起きてよぉ、グスッ」
ずっと言えなかったままのことをようやく言えたよ
君の封印にキスをして
「ちゅ」
と、音を立てながら
そうするとね、動き出したんだ…
君が、俺の目を失うかわりに…この封印を解いて
「ろんか、眼、無いじゃん……」
「……」
「ごめんね、俺がっ、」
「良いんです、アンタに思いを伝えれたので、そんな顔しないでくださいよ、」
そうするとね君はいっ〜ぱい俺のこと抱きしめた
「行きましょう、」
こうして、先生の封印は解かれた次は皆を助けに行く番だね
大好きだよ、五条さん
「この場所で」
お姉ちゃん、お兄ちゃん…何処行ったの?
怖いよ、寒いよ
戻ってきてよ
「ゔぁ〜、ぁぁ〜」
赤子の泣いている声が聞こえる
耳をよく澄まして、何処にいるかあてる
簡単なこと
ひたすら前へ前へと歩いていく
すると
「!!…いた」
目の前にしゃがむと、あの子は泣きながら、
頑張ってはいはいをしてこっちに向かってくる
「君、何処から来たの?お家は?」
なんて言っても分かる訳がない
「あう、にぃに、」
「…!」
数年後
俺は呪術高等専門学校に上がり、高校生だ
ろんかは、…ああ、そう、赤子だった子の名前だ
千兎聖ろんかっていう子らしい、元は禪院家が引き取っていたんだけど、呪力がないって言うことで捨てられたっぽい
だから俺が引き取っている
呪力がないってのは嘘で、段々と成長していくたびに
俺は、この子はちゃんとした呪力があるって分かっていた
「ろ〜んか、ただいま〜」
「おかえりなさい、」
「なんか、どうしたの?申し分ないっていう顔してる」
「え、あ、そうですかね…?」
「悩み事?」
「いえ、ちがくて…これ、」
「授業参観?」
「いえ、行けなかったら良いんです…」
「行くよ」
「本当ですか?」
「うん」
こんな感じで今は遠慮しちゃう子みたいだけど、とても可愛い!
「ろんか、」
「はい」
「ここの場所、覚えてる?」
「?」
「覚えてないよね」
「君と出会った日の場所」
「…」
ここは紛れもなくとても綺麗だった
もし、もう一度、生まれ変わったら君とここで
逢いたいな
「誰もがみんな」
誰もがみんな、
誰もがみんな
幸せでありますように
こんなに願っていても、幸せになるわけではないのに
ただ幸せであるようにと願うしかない
誰もが、いや、善人は思うだろう
幸せであるように、と