冬眠中

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6/1/2024, 9:35:41 AM

まっさらな紙がある。
まだ何色も塗られていない。

好きな色を使っていいよ。
何色にしてもいいよ。
でも、色を付けても付けなくても、それはあなたの自由だよ。

そう告げられて、紙を見て、どうしようかと手を止める。
何もない、このままの、無垢のままが良いのかも。

……なんてね。

んなわけあるかいと嗤って、私はペンキをぶち撒けた。

5/29/2024, 1:09:28 PM

何事も無かったみたいに。

待ち合わせをして、一緒にご飯を食べて、他愛のない話をして。
行く先も決めずに歩いて、違う歩幅を互いに合わせて。
同じものを見て、聞いて、ふとした瞬間に笑って。
分かれ道にたどり着いたら、笑顔でさようならを言おう。

ごめんね。
今日で、もうお別れ。

5/28/2024, 6:21:24 AM

天国が、どこにあるかは知らないが。
地獄なら、どこにでもある。
あの世に行くなぞ面倒な事をしなくとも。
己の地獄は、今ここに。

5/27/2024, 7:00:10 AM

くたびれ果てた体に上着を羽織る。
鞄は鉛のように重い。
首と肩が死ぬほど凝り固まっている。いや背中も腰も。手も足も。
体は疲れに正直だ。

渇き切った目の奥の痛みを無視して空を見上げる。
23時過ぎの夜空。
鈍色の雲にぼやけた向こう側には月明かり。

やあ、お月さま。
労働はクソですね。
こんな時間まで働かなくても生きていけるようにならねえかなあ。

叶わぬ願いをぼやきながら、終電のホームを歩く。

5/26/2024, 3:24:39 AM

雨音。
しずく。
流れ落ちる音。

硝子戸をつたう水の音を聞く。

水底に沈む夢を見る。
水面は遠く、手は届かない。
雨の雫を受けて揺らめいている。

雨が止むまで水面が静まることはないだろう。
ただ、別に止まなくても良いと、このまま沈んだままでも構わないとも思う。

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