くたびれ果てた体に上着を羽織る。鞄は鉛のように重い。首と肩が死ぬほど凝り固まっている。いや背中も腰も。手も足も。体は疲れに正直だ。渇き切った目の奥の痛みを無視して空を見上げる。23時過ぎの夜空。鈍色の雲にぼやけた向こう側には月明かり。やあ、お月さま。労働はクソですね。こんな時間まで働かなくても生きていけるようにならねえかなあ。叶わぬ願いをぼやきながら、終電のホームを歩く。
5/27/2024, 7:00:10 AM