今
ここ
そこ
どこ?
今日
明日
その先
いつ?
この瞬間
今この先から
見晴らす先に目が眩むけど
行こうと思えば意外と行ける、かもしれない。
案外、きっと。
たどり着く先はどこだろう?
透明なあなた
誰からも気づかれない
誰も気にかけない
全ての色を透過して
ただそこにいる
あなたは自由だ
善にも悪にも、毒にも薬にも、何にでもなれる
誰かを憎み続けることも、誰かを見守り続けることも
大声でわめき散らすことも、好きな歌を好きなだけ歌い続けることも
呪いにも祈りにもなれる
私もいつか、そのようになれますように
この羅針盤は壊れていて、進む方を示す針は、いつもくるくる揺れている。
あっちだよ。
(はいはい)
こっちかも。
(はいはい)
そっちかなあ。
(どっち?)
毎回方向に迷う。
全くあてにはならないが、とは言え手放すわけにもいかない。
こっちな気がする!
(気がするかあ…)
威勢の良い声を聞きながら、ちょっと遠い目。
しかしそんな気がしてしまうのならば、まあ仕方ない。
羅針盤を手のひらに、私は今日も、旅路を歩く。
これからどうすればいいんだろう。
途方に暮れることが、よくある。
もういい年した大人なんだけど。
自分の身の振り方は、最終的には自分で決めなきゃならないと、分かってはいるんだけど。
分かっては、いるんだけどなあ。
ついつい誰かに行き先を指し示してもらいたくなる。
その方が気が楽だから。
まあ大人なので、一時の楽な気持ちに身を委ねると、後で地獄を見る場合があることも知っている。
他人任せの地獄と、自分が決めた地獄なら、己で選んだ地獄の方がまだマシだろう。
多分。
そんな考えも、日々ぐらぐらと迷ってばかりいる人間なのでまた変わりがちなんだけども。
本当に。
どうすればいいんでしょうねえ…
かつて確かにあった日々は、良い日も、悪い日もあった。
渦中にあった頃は、ただ、早くこの地獄の中で殺してほしいとも思った。
それでも、思い返す私は、まだこうして生きている。
いつか今も思い返す日々の中に埋もれればいい。
そうして何もかも忘れられる日が来ることを願っている。