hashiba

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3/29/2024, 1:31:34 AM

何かを強く訴えたいとき、この人は必ず真正面から目を合わせる。職場での説教もそう。意思の強い瞳は少し苦手だったが、この人らしい部分でもある。それが今は何だ、恋人を前に随分とやに下がってみっともない。そして嫌いどころか好ましく感じるのだから、恋愛というものは始末に負えない。何をそんなに強く望んでいるのか。欲しいものは知っている。だからあまりこっちを見ないで。視線に溶かされ消えてしまいそうだ。


(題:見つめられると)

3/28/2024, 1:43:29 AM

「死んだかと思った」嘯くその顔はいつも通りの仏頂面。彼なりの冗談だと理解しないわけではない。それでも相変わらずわかりにくいものだから、確認のためその体を腕の中に収めてみる。熱やら心音やらを確かめる前に、脈が速すぎませんか、などと文句を言われて思わず笑うしかなかった。


(題:My Heart)