僕の身体の中を
突風が駆け抜けた
秋風の中
公園で落ち葉を掃き掃除していた時だ
急に僕はブルっと震えた
空風が体を巡っているような感覚なのだ
そして
突風だ
あぁ!
僕は午後から友達の家に行くのを忘れて居た!
スマホから電話すると
さっきから来ないのかと
君の事を考えていたのだが
そうか
虫の知らせか
そんな事があった
好きです
また会ってください
半ばパニックだった
僕の他にカフェにいる客は
新聞を読むサラリーマンぐらいだった
目の前に猫が座り
会釈をすると
ー旦那さん
僕の旦那さんですにゃ
間違いございませんにゃ
と言った
僕が呆気に取られて猫を見つめていると
ー旦那さん
僕は昔旦那さんにおせわになりました猫でございます
そう言った
僕は口を開くものの言葉が出てこない
ー旦那さんが驚きますのも承知の上でございます
と猫は言うと
ーささやかなお礼でござりまする
と丁寧に包みを差し出してきた
え?え?
ちょ…信じられない
僕が言うと
ーどうぞどうぞ、大したものではございませんが
お受け取りになってくださいまし
猫はグイグイ包みを僕に押し付けて
ーそろそろ会議がございますゆえ
これにて失敬
と
猫は ととと…と
車の行き交う道路を容易くすり抜けるようにして
歩いて行った
僕は今その包みを持ち帰って
目の前に置き
夢じゃあるまいか?と
思案するのであった
包みを開けるのはスリルでしかない
アルビノのカラスが居た
彼女の白い片方の翼は
曲がってはいけない方向に
曲がって居た
地面を歩いて
ご飯を探している
お腹を空かせているのだろうか
僕は冷たいご飯粒を
丸めて彼女の近くに置くと
近寄ってきて食べた
それから僕らは
一緒に居るようになった
他のカラスから
守ってやる
僕がそう決めた日だった
群生するススキは
この時期いろんな場所で見かける
川沿いに多く生えているのを見て
寒くなったと感じた
立冬も過ぎたか
今日も遠くを見て
散歩していると
小さな子供が
母親に連れられ
歩いて行った
ゆっくり
育て
そう思う
カラッとしたいい日和で
散歩も楽しかった
また明日