脳裏に焼き付いているのは

人の見苦しい断片だ

この世の中は美しくも醜くもある

人はまだ歴史の初めにある

長いスパンで考えて

孤独の美徳を見出すことも

生きる道だろうと思う

私は馴れ合いが得意ではない

けれども　だからこそ

寂しい

寂しい事も生きる道である

思い出に意味は無い

感傷に耽っても

何にもならない

木陰でゆっくりと風を感じて

眠れたらいい

あなたは誰？

目の見えない女の子が手を伸ばす

道行く人は

誰しもが通り過ぎ行く

伸ばした手は空を掴む

その手をそっと包む温かな手があった

僕のこと

今日からゆっくり
知ってほしいな

ずっと見ていたんだ

目が　見えないの？

ーうん
でも　あったかい手


ありがとう


私はこうして
あなたと出会ったの

さらさらと流れるような日々に

ふわり

君が現れて

ぼくは

君のいない世界が考えられなくなった

ある
柔らかな雨が降る日

相合傘で初めて

手を繋いだ


これからも
君の手を

繋いでいたい

そう言うと

君は笑って
ありがとうと言った


夢のような虹を2人で見た

君が居る

君が居る

幸せなこの時間を

ずっと

猫の親子が道路を横断していた
ちびすけが横断するのを躊躇して
不意に私を見た

私もちびすけを見ていた

母親と思しき猫が
ちびすけを向かいに来て

猫の親子は道路脇から姿を消した

猫の尻尾とはどうしてこうも
哀愁を誘うのか

犬の尻尾は常にフリフリして居て
そうでも無いのだが

猫の尻尾は
哀愁漂う様子である

まる尻尾
カギ尻尾

なんにせよ

猫の尻尾は
ゆらゆら

フリフリ

感情豊かである