co

Open App
8/20/2024, 10:15:06 AM

ふと見上げた空には
広がる鼠色の雲
湿った風が頬を撫でた

そろそろ
降るかな

僕は天日干ししていた座布団を
部屋に置くと

雨戸を閉めた


部屋の電気を付けると
テーブルに置いてあるスマホが鳴った

はい
もしもし

「もしもし お兄ちゃん あたし
今お兄ちゃん家に居るの?」

妹からだった

居るけど なに

「あー見間違いかあ お兄ちゃんと
すれ違った気がしてさーさっき
声かけて知らんぷりされたから 
何って思って電話したんだけど…」

「ついでに駅に傘持ってきてよ〜」

分かったよ

電話が切れたあと
僕は傘を用意して

近くの駅まで歩いた

ポツポツと雨が降り出した

お兄ちゃんー!こっちー!

妹を見つけて歩いて行くと

妹のそばに男が居た

この人と一緒に暮らそうと思ってるの

妹が嬉しそうに言う

ちゃんと料理作れるのかよ

僕が聞くと

自分が作ります

と男が言う

僕は少し寂しい気持ちになったけれど

妹が決めた事だし

二人に
仲良くやれよ と

声をかけた


ーーそして

妹が

家を出る日が来た

またね!お兄ちゃん

と扉を開ける妹に

僕は

…うん

としか
言葉が出なかった

8/17/2024, 11:00:27 AM

自分は要らない人だけれども

捨てるに捨てられない

8/16/2024, 10:20:56 AM

自分の家族が誇らしい

純朴で真面目で努力家
飾らず一本気がある

また人様に迷惑をかけないように暮らし
平和主義でもある

人に優しく 思いやりがある

そんな
自分の家族が

自分の誇らしさである

自分自身は
優しくも無いし思いやりも無い

努力もしないし

人に迷惑をかけてばかりいる

とてもじゃないけど
自分の家族には頭が上がらない

どうしてこうなったと言っても

自分は自分だし

どうもこうも

なってしまったのは仕方が無い

とはいえ

家族をたまには
見習いたいものである

出来ない 出来ない
などと言うのは簡単だが

やってみなけりゃ
自分のことでも

分からない

いつかは
頑張ろうと思う

8/16/2024, 5:18:35 AM

途方に暮れた夜

行く当てもなく歩いた

歩く先に

何も無いと分かっていても

歩きたかった

行き止まり

海に着いた

見上げた空に

一番星が光る

明け始めていた

座って
暗い水面を眺めた

ゆらめいている

青より暗く
黒より青い

風に海の匂いが混ざる

…帰ろう

歩き疲れて棒になったような足で

また歩き出した

家に帰ろう

家に
帰ろう

8/15/2024, 2:29:49 AM

ひまわりの花束を
買って自転車の後ろにくくりつけて走った

君に会う

君に会う

僕は心臓をバクバクさせながら

家の前に自転車を止めて

ピンポンを押す

少しして
出てきた君に

背中に隠したひまわりの花束を

見せた

君は笑顔になって

ありがとう!

と花束を受け取り
笑った

嬉しい!

僕らは手を繋いで
少し散歩して

またね

と互いに手を振った

花が似合う君に

会えて嬉しい日になった

また君に
会いに行くから

Next