【涙】
泣き明かしたあの夜を
涙堪えて笑う朝が来たりもする
時間が解決してくれるかは分からないけど
後にならなきゃ分からない事はある
最良の選択も
最悪の事態も
どこで逆転するかなんて分からない
失敗から学ぶなんて言葉もある
教科書の中身だって時と共に変わる
太陽系の惑星も順番が変わったり減ったり
せっかく覚えた年表も変わってたり
なにやらドナドナも載ってないらしいぜ
きっと涙の意味合いも
【小さな幸せ】
きっと相手は無意識だろう
そこに何かの意図があった訳でも
気まぐれでもなく
偶然だったに違いない
それでも
与えられた幸福に
浮き足立ってしまう
それが
自分だけにとなると尚更だ
ピッタリとくっ付いた
チャーシュー2枚
【春爛漫】
サクラだ何だ
蝶よ花よと
イメージするところはある
けれど
素直にそれに乗っかれないのは
ひねた性格のせいか
遠のいた者の僻みなのか
どちらにしても
春爛漫
そのイメージとは
相反する心情だろう
だけど
縁側に座って
庭で遊ぶ孫を愛でながら
茶を啜る
そんな感じもしなくは無い
【七色】
そのままは何だか癪だから
七味唐辛子
辛いものに対し
遅まきのデビューを果たした俺にとって
うどん屋さんのテーブルに並ぶ
二つの小瓶は
長い間
弁当で言う所のバランであり
賑わいの一端をになう山の枯れ木であり
合コンにおける俺のようでもあった
ただの賑やかし要員ではないと気付いてから
初めて一と七がある事を知った
便宜上、赤から緑に着替えたのではなく
別の個性を持つブラザーズだった訳だ
当然
和製ミックススパイスに興味が湧いてくる
うどんと共に啜った感想は
兄をマイルドにした感じ
以降、兄一筋になった俺に
柚子七味なるお土産が届いた
あ、緑の方だと軽く試してみると
兄に負けず劣らずの個性派だった
うどん屋さんの彼は
少々お疲れだったのかも知れない
改めて興味の湧いてきた弟
もしかしたら
自分の好みにブレンドするのも楽しいかも
ぼんやり想像してみる
ナッツや魚粉やニンニク
ドライフルーツやお茶の葉なんかも
面白いかもしれない
最初から冒険しすぎるのは良くないと
スーパーの調味料コーナーで吟味を重ね
買い集めたスパイス達をブレンド
達成感と共に味わった完成品は
恐ろしく程度の低いカレー粉もどきだった
欲張って九味にしたのがいけなかったのか
分量も考えず
買ってきた物を全て混ぜたのがいけなかったのか
そもそもオリジナルの七種も知らずにやったせいなのか
赤でも緑でもなく
黄色で身を包んだ彼のようでもある
やはり
プロに任せるのが一番なのか
七味唐辛子は
プロが作った物を
風味が無くなる前に使いましょう
【記憶】
わりと曖昧だったり
無意識に改ざんされてたり
誰かの話とごっちゃになってたり
記憶を頼りに辿った道で
幾度、天を仰いだ事か
だけど
ふとしたきっかけで
今まで忘れてた事を鮮明に思い出す事もある
そういえば昔
正当な評価を得たいと
強く思った事があった
上司から昇進を告げられた時だ
当時
主要メンバーの欠員により
関係会社のとある部署が未曾有の危機に直面した
その被害を少しでも食い止めようと
上層部の放った白羽の矢が
たまたま通りかかった俺の眉間を貫いた
ほぼ転職だ
付け焼き刃を
手探りで振り回す
むしろ振り回される
当然
そのポジションの仕事を十分に出来たとは言い難い
そんな中
元いた部署の相方も
俺の穴を埋めるのに必死だ
そのタイミングで
昇進を言い渡された
どう考えても
俺より相方だ
俺があわあわと半人前の仕事をしてる間
相方は1.5~2人分の仕事をこなしているのだ
それを訴えるも
もう決定した事らしい
釈然としないまま
あとは評価に追い付くしかないと思うようにした
上司に
自分でもこの評価は
仕事ではなく
少し整った顔で貰ったものだと分かっている
と伝えたところ
危うく
初日で降格する所だった
決定した事言うたやん