ねちょねちょ系鯖缶

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7/23/2025, 4:46:46 AM

星を追いかけていた
おそらく、自らの目をも知るより昔から

きっと、彼らに自身を重ねていた
いつの日か輝けられると、何かになれると
筈だとずっと、聲を重ねて
意味が無くとも、手を重ねて

結果、果然その手に何もあってはしなかった
伸ばしただけで、光の粒すら遍く掴めず
ただ、余韻を求めて開いて閉じて
再々と、再々と


無駄だな
この行為に一切の生産性は見込めない
この無駄を排他してせめてもの努力をすべきだと
そう、分かっていれども、気付けば先には星がある

自ら呪った期待を未だ、噛み切れない儘でいる
どうすれば
このままであらずに済んでいたのか


知れていたなら、苦労しないな

7/21/2025, 12:26:03 PM

後にも先にも引けない僕を、誰か見てはくれていたのかい?
聴いてるかな、見ているでしょう
まだ浅い脳で感じていた浅ましさを、何をするにも伴った吐き気を
する事なす事その全てが醜く劣って見えている、
そんなそこそこな地獄を知ったように語ってはいなかったっけ?

ほら今日もさぁ
人目につかない背の影で、いつだって磔にされている
額縁に雁字搦めにされて、他人や自分の目を槍として
いつだってごちゃごちゃになるまで抉られ晒され続けているんだよ
あはは見てよ見えないかなそれもそうだね見せないものね
いつもいつもそうだよね!僕ずっと笑っているものね!
楽しくても何とも無くても泣いていてもずっとねずっとだよずっとさぁ!
こりゃあ笑えちゃうね、あぁなんて愚かしい

過去なんかで笑えないよ、いつだって首掻きっ切りたくなるような日々死んだ儘でいて欲しい
未来なんかで笑えないよ、いつだって臓物ぶちまけてやりたいような自分がいる日々来ない儘でいて欲しい
今も明日も昨日もいつだったか忘れちゃったなでもその日だってずっと最悪なんだった!

けれども生きなきゃいけない。面倒だよね、しかし僕への罰だったからね
かといって過去も未来も最悪だよね、だから端から


今を生きることしか、許されてくれはしなかったんだな、

7/20/2025, 10:24:44 AM

走ってる
いつも通りに、走っていてる
夢だから、夢であっていてくれと
何かから逃げているのはきっと、いつものことで

嫌だなあ、追われてる
いや、もしかしたらば追われてなどいなかった
階段を駆け上がっている
どうしてこう、足が縺れるの、ねぇ

ああ呑まれそうだ、この肺も、飲み下せたなら楽かもな
手すりに縋る、そして引き摺られながらも高く遠くを目指し行く

扉だ
終わったな、終わったよ
もう終われるかもと、この時くらいは期待をさせてよ
開けた先で、大気に流され埋もれれたのなら
もう、それで


あぁ、叶った
よかったな、鐘が鳴っていたんだな
あとはそのまま、元来た場所へとかえろうか
さいごのさいごに一つだけ
宙の上で寝かせてくれはしないだろうかな
夢だったんだ、夢なら叶えてくれるでしょ

飛べ。
もういいよってさ、諦めてもさ
投げ出せていたのならばそれは、綺麗に遺っていましょうと

7/19/2025, 4:06:56 PM

かぶが踊っている
何故かは知らん、しかし、踊っている

看板がこれ見よがしにと立ててある、ふむふむ
【ある意味大・大・大特価セール‼️人類史に類を見ない程のかぶの不作‼️よってお値段大幅アップ‼️なんと通常の…】

なるほど、なるほど
つまるところのとどのつまり、このかぶ達は、
自分達の価格が上がる=自分達の価値も上がる、と喜んでいたのか
そう考えると、なんでかこちらも嬉しく思えてきてしまった
供給が減り一般庶民のちゃぶ台からは引き剥がされていく一方だというのに

あ、かぶが舞い始めた
なんか凄い、どっかの民族に代々受け継がれていそうなタイプの舞だ
かぶにも民族とかってあるんだろうか
まぁいい、今はよそう
取り敢えず、踊ろう
思考も常識もthrow away
今宵はそう、踊り明かせよparty night
本日やっと、待ちに待ってたぜspecial day───


《後書き》
僕にとっての、special?
そうですね……やはり、なんと言っても
───『かぶ』、ですかね

7/18/2025, 2:12:45 PM

背に二日月を携えて
防犯灯から闇へと跨ぐ
まるでトンネルのように窮屈で、草原のように広々してる

木の遮った光を泳ぐ
悪夢の如く、平衡感覚を殴打され続けている
ざわざわと覆い被さったそれらは、大地の全てを震撼させんとするようで

心がぐらつく
足が沈んでく、なのに歩いてる
地に足つけて飛んでるみたいに
終わりを告げる電柱は、もう数歩先にあるといっていたのに
丸切り、近づけた気がしない

揺れる木陰に押し潰される
焦燥と晏然から目を背く、必死に、ただ必死に
もう少し、もう少しと手を伸ばしている
しかし、その先は


気づけば、花弁を掴んでいた
ふと、目を逸らしていた
その八重桜の前で、自身の影がそこにいる

手には何も無かった

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