ねちょねちょ系鯖缶

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7/11/2025, 11:02:13 AM

人は誰しも、冒険をしてる
この広大な情報の海とも言える世の中から、自分の人生の輪郭や構造を探る
そんな大冒険を

そして僕もまた、今日も冒険をしてる
思考に潜る
溺れそうになる程に様々な感情や知見、そして課題や陰が溢れ出す
それらを纏めて、並べて、考えて考えて疑って疑って
そうしてやっと安息の地へと帰れる
自分はきちんと生きているんじゃないかと、多少は信用出来る気がしたから

人は、自身の存在を他者と同じように感じることは出来ない
何故なら、辺りを舐めるように見回すこの目は、結局は自分という箱に囚われているのだから
だからこそ、外から自身を観測することが出来ぬのだ
ならば、本当に僕は、生きていると解るのだろうか?

所詮、生というものも他者から与えられた情報に過ぎない
地に足つけて立っているかどうかすら、この目では理解することが出来ない
そもそも、他者というのがどういったものなのかすら
未だはっきりしていない

けれど、それでも、生きてみたい
特に理由なぞは無いのだろう、強いて言うなら憧れだ
ちゃんと生きて、ちゃんと笑える
それがなんとなく羨ましかったから

からこそ、また
冒険をしてる

7/10/2025, 10:37:49 AM

届かない、到底

どう藻掻いていても
君達人間の、足元にも
圧倒的に同種として劣っている
埋められない欠陥がある
呼吸すらも溺れているみたいな
そんな不快感と焦燥が漫然と拍動に絡まって笑えない
そもそも住む常識から違うそうだ、そうだろ?
一般的な日常会話の節々から聞こえてくるんだ
なんの意図も無ければ感知すらもされることはしない、無垢で潔白な自分しか知らない境界線が
明言されてもないのに錯覚するんだ、あぁ、
場違いだ、と

なぁ
どうしてそんなに適応できる?
どうしたら上手く演れる?
コツを教えてくれよ、やれるだけやるから

なぁ
助けてくれよ、どうにか、何だって構わないから
結構そこそこ疲れたよ
せめて誰か生み直してくれないか?
あまりにもここは、ズレてい過ぎる

なぁ
何でだ?何故だ?
どうしてこんなことになった?
凡庸だろ?何の変哲も無いだろう
なのに何故、異端かのような目を下される?
なぁ、なぁ、なぁ、

なぁ、この声は届いて…..、



いないか

7/9/2025, 8:25:33 AM

その日は暑かった

それもそうだ、この炎天下
水も財布も何一つだって持たず飛び出してきたのだから
理由は、取り立てては特にない
強いて言うならなんだかそうしたかったからだ
疲れたんだろ、色々と

街を当て所もなく歩く
知人の家の前を過って、公園の蛇口で水飲んで、畑に植わる作物を眺めて、行ったことない場所ほっつき回って
いつも傍にある筈の全ての、知らない見方を知った
涙も底に背負った侘しさも、乾いていた
一つ、二つ、そして三つと橋を渡ったその時

沈み往く夕日を見た

視界が開けた気がした
川に反射していた、零れ落ちた今日の終わりが
白昼に始めた逃避行が
眩しく終わるのが辛かった

そんなあの日の景色の話

7/7/2025, 3:14:14 PM

これでよかったの?
空を泳いでく誰かが訊いた
君は本当に、終わりを望んでいたの?
その問いに、少しばかり言葉が詰まったのは何故だったんだろうか

確かにそうだ、辞めてしまいたいと思う、
大体全部
かといって本当に辞めたいだけなんだろうか
何故、辞めたいんだろうか


あぁ、そうか
綺麗に生きることは叶わないと、自分に見切りをつけたからだ
多分どうしたって、自分は何にもそぐわない

有難いことに居ても許される場所はあるんだ
しかし、
居るべき場所が、何処にも無い
きっとそれは、天国だろうと地獄だろうと独りになろうと同じだ
何処にいようと何をしようと、自分が自分である限り、世界が世界である限り
それはずっと変わらない
だからこそ、全て無かったことにしたかったんだ

この世から全部消えちゃえば、砂塵すらも残さず崩せば
そしたら笑ってもいいって思えたんだ
でもそれはあまりにも大きくて叶わないから
自分だけ終わらせればいいって、そう解ったんだな


ならやっぱり、
その願い事でよかったよ

笹を揺らした微風が止まる

7/6/2025, 1:56:38 PM

私は宙に恋をしている

それはとても、虚しい恋だ
果てを捜して、それを取り巻く空間を捜して、その果てを捜して、またそれを取り巻く空間を捜して、
延々と終わりの見えない循環と、それに対する追求は
もはや空虚や絶望と言ってもなんら差し支えはなかろう

それでも、私は宙に恋をしてしまった

だだっ広い空間に、絶えぬ虚無感に、私達の頭上に広がる情感に富んだ空とその先に!
その全てにロマンを見出させる程に、世界は美しくあるのだから!
ならば私は浅ましくも愚かにそれらを追い求めようではないか
例えこの行為が空っぽだとしても、

だとしても


この空が、美しく思えたものだから

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