─刹那─
みんな知ってる?
刹那って、瞬間とか一瞬って意味らしいよ。
まるで僕の死に際みたいにね。
僕は去年の夏、学校の屋上から飛び降りた。
死ぬのは一瞬だった。
僕の死に際は、刹那と言うにはぴったりだった。
誰にも愛されず、僕自身も誰かを愛さず、
そんな醜くて悲しい人生を歩んだ。
でも今は悲しくなんかないよ。
彼が僕の命日に、必ず会いに来てくれるから。
死んでも尚、ずっと屋上に居る僕に。
そんな優しい彼は、今年の夏も誰も居ない屋上にただ1人。
片手に花束を持って泣いている。
「なぁ、親友。お前が消えて悲しいよ。」
僕の親友は、泣き虫だったね。
そんな泣き虫の、たった1人の親友へ。
『ありがとう。僕の大好きな親友。』
─生きる意味─
道徳の授業。
今日の分の授業内容は終わり、時間が余った。
先生は言った。
「みんなにとって、生きる意味って何?」
先生はクラス全員に聞いているはずなのに、
何故か僕だけに聞いているように思えてしまって。
授業が終わり、チャイムが鳴っても、
僕だけ時間が止まったように動かなかった。
否、動けなかった。
今まで親の言うことだけを聞いて、
親の言うことだけ守り、
自分のことを考えたことなんてなかった。
親の言うことだけ聞くロボットでいいのか?
答はNoだ。僕も人間なのだから。
自分の意思を持って行動したい。
────この話が、僕が人間になった日のつまらない話。
僕の生きる意味は、自由で完全な人間になる。
こんな可笑しい目標があるから、今日も僕は生きている。
─善悪─
皆さんは“善悪”と聞いて、なにを思い浮かべますか?
例えば、善は世間にとって良いこと。
悪は世間にとって悪いこと。
そう思い浮かべる人も居るかもしれません。
では此処で、ある話を紹介しましょう。
僕の友達は、変な宗教に入っていた。
内容は、『人は生きているだけで罪』と言うもの。
自分に害はなかったので、あまり気にせず仲良くしていた。
しかしその友達がある日、僕を殺そうとしてきた。
危機一髪のところで逃げ、命は助かった。
その後捕まった友達の言い分はこうだったらしい。
『死ぬことで神様に貢献できる。』
彼は、“彼なりの善意”で、僕を殺そうとした。
───という話です。
その友達のした行動は、世間から見ると悪になる。
でも彼自身は善だと思っている。
さて、これは善と言うのか。
それとも悪と言うのか。
皆さんはどう思いますか?
善と悪の境界線は曖昧であり、紙一重なものです。
どうか、“自分の為に”正しい判断を。
作者より。
─流れ星に願いを─
深夜一時。
まだ光がない時間に、
誰も居ない小さな公園で、
彼女が言っていた。
『こ...世か...消え.....たい。』
星に願っているようにも見えた。
なんと言っていたかは覚えていない。
彼女がそれから、笑わなくなってしまったから。
そのことの方が、僕は辛かったから。
でも一年ほどして、彼女の笑顔を取り戻した。
しかし彼女はまた、
深夜一時に、誰も居ない小さな公園で、
星に願っていた。
彼女の願った日の次の日は、必ず流れ星が見える。
だから毎回僕は、流れ星に願いを言う。
ずっと変わらない願いを。
『彼女の願いを取り消して。』
簡単な解説書いときます。
彼女の願いは、『この世から消えてしまいたい。』です。
なんの偶然か分かりませんが、
彼女の願った日の次の日は流れ星が降るので、
主人公は『彼女の願いを取り消して。』
つまり『彼女は消えないで。』と言うわけです。
分かりにくい物語書いてすみません。
以上、作者より
─ルール─
三日月を見上げる1人の男は、
“いつかこの心の寂しさは消えるですか。”
と訴えるように言った。
会いたい人はなんで自分で決められないのかを考えながら。
過去を悔やんでいるように見える1人の男は、
“あの時の選択は正解だったのですか。”
と静かに言った。
世間の言う正解が何か考えながら。
全てを綺麗と言う1人の少女は、
“私は綺麗に入るのだろうか。”
と綺麗な花を見ながら言った。
綺麗の基準を考えながら。
他の人も、世界の何処かで呟いていた。
“平和を最後まで見届けたい。”と願う者。
“何故見た目だけでいじめられないといけないのですか。”と悲しそうに言う者。
“笑っている彼女といつまでも一緒に居たい。”と心から言う者。
“彼女に好きと伝えればよかった。”と後悔する者。
何故そんなことを言うのかはわからない。
それぞれの『人生』という物語の中に何かあるのかもしれない。
ただ皆の元に答は届かないだろう。
それが世界のルールだから。
彼らの物語の主人公は、彼ら自身なのだから。
他の人が、勝手に決めることじゃないのだから。
この話は、今までの登場人物について考えたものです。
興味ない人は飛ばしていいです。
ただ、気になった人は今までの話も読んで欲しいです。
あとハート200超えました!ありがとうございます!
以上、作者より