病室から見える景色を縁取るように、窓があり、そこに、彼女がいる、
まるで、絵画のような
桜の木と散っていく花弁、今にも消えてしまいそうな君の笑顔。
その全てが、合わさると凄く綺麗で…思わず写真を撮ってしまう。
そうすると君は
『なぁに?何を撮ったの?笑』と笑い聞いてくる
「君の笑顔だよ」と僕は答える
そうすると彼女は恥ずかしいなぁ、と照れながら笑う。
頬を紅色に染め…まるで、病気じゃなく、すごく元気そうな顔色にする。
それでも、君の笑顔腕は、持ったら、折れてしまいそうな…お世辞にも、いい体とは言えない体。
今にも消えてしまいそうで、でも、君には笑っていて欲しいから、それを悟られないように、今日も綺麗だよと言う。
彼女の遺影はその絵画の様な写真にした
数日前、彼女は、静かに息を引き取った。
最後の言葉は。
『この部屋から貴方がこの病室に走って入ってくるのを、毎日見てたわ…笑 愛してる』
と。
澄んだ瞳にはいつも、私じゃない、別の人が映っている。
そこに私が映ることはきっともうない
お祭りに君を誘った
浴衣姿で来た君に、僕は
『かわ、かわいい、ね、』と一言言った
そしたら君は照れながら
ありがとう!と言った
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花火が上がるまであと数分
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1
大きな音を立て、花火が上がった
花火を見る君の横顔が綺麗で
『すき、』
と思わず口に出てしまった。
あっ、と思った時には遅く、花火が上がってなかったタイミングだった為、僕の声は、はっきりと君に届いていた。
君は顔を赤くそめ、僕の服の袖を摘み
〝私も好き、〟
と言った。
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そんな漫画のようなことがあってから、数年
今年も君と花火を見に来ている
誰かの為になるのならば、僕は喜んでこの世を去ろう。
これが、本当に誰かの為になるのならば。
人の役に立って死ねるのならば、僕は未練なんて無い。
でも、少しでも、迷惑がかかるようならば、辞めよう。
と、僕は何度も何度も自殺を辞めてきた。
カーテンを開けて。空に向かってこう言う
さぁ、今日も迷惑かけないように生きよう。と
友情
簡単に壊れるもの
あの時、こう言ってれば壊れなかったかもしれない友情
あの時、止めていれば、なくならなかったかもしれない友情
あの時、好きって言わなければ、…ずーっと続いてたかもしれない友情
こんなにも簡単に崩れるもの。
本当に友情と言うのだろうか