1/24/2025, 1:03:34 PM
守られていたんだろうな。
今思い返すと、そう感じる。
小さいマシュマロの雨みたいな
たくさんの嘘、嘘、嘘。
みんな甘くて美味しいのに
舌に残る人工的なバニラの香りが
妙に鼻につくのだ。
美しく飾られたドールハウスに、
薄ピンクのかわいいフィルターをかけて
丁寧にていねいに隠された真実。
世界って、
そんなに美しいものでもなかったんだね。
酸性雨がパラパラと降る、
ネオンの光とクラクションが煩い
どうしようもなく都会の臭いがする、夜。
「やさしい嘘」
1/23/2025, 12:29:12 PM
縫い合わせた瞼越しに
柔らかい光を見た
「瞳をとじて」
1/22/2025, 6:20:27 PM
共にいる日々が
続くほどに増えてゆく
贈りあった想いたち
この時計は
珍しく暖かかったあの冬の
クリスマスに贈ったもの
少し軽装で、
きらびやかな街を
二人歩いたこと、
今でも覚えている
あんなにイルミネーションが
綺麗だと思ったのは初めてだった
あなたが贈ってくれた
美しい黄金のような香水
華やかで、しっとり甘くて
少しムスクが香るのが好きだった
つけて歩くたびに
あの夜を思い出すの
何回目の再会記念日
記憶を纏うから、
贈り物って美しいのね
記憶を纏うから、
贈り物って醜くなるのね
「あなたへの贈り物」
1/21/2025, 2:45:04 PM
コンパスと地図さえあればどこにでも
行けると思っていたあの夏
「羅針盤」
1/19/2025, 1:30:38 PM
砕かれた鏡面に映る
無数の記憶
散らばって鋭利に光る
触れれば痛む天の川
顔を上げると
君がいて
振り返れば
君がいた
仮面を剥がしても
その下には仮面がある
手のひらに掬っては
零れ落ちる大海
合わせ鏡のように
無限を思わせる君
僕はそんな君の
ただひとりの君を
探す旅をしている
「ただひとりの君へ」