よしだ

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1/15/2025, 3:15:46 PM

今度こそ、
きっと間違えずに貴方のもとにゆくから
今度こそ、
きっと貴方を抱きしめてみせるから

あの夜までは分からなかった
あの夜までは知らなかった
あの夜までは見ないふりをしていた!

そうして、永遠が訪れた

けれど今、ふたたび時が動き出した
今度こそ間違えはしない
帰る場所はそこだった
貴方のもとへ
あなたのもとへ

「あなたのもとへ」

1/14/2025, 10:55:14 AM

そっとねこを置く

「そっと」

1/13/2025, 10:27:09 AM

まだ見ぬ景色より、
かつて見た景色に焦がれるのは
人の性なのだろうか

つまらぬ感傷だと知っていても
焼き付いて消えない記憶の欠片

後ろを向いて歩くのだ
あなたを見つめて歩くのだ

「まだ見ぬ景色」

1/12/2025, 1:57:29 PM

私たちの夢の轍
今ここで絶たれた
甘い焼き菓子みたいに
ホロホロと欠けていった心
悲しみの湖を風がぬるく撫でて
夢のつづきはもう
永遠に訪れないことを知った

「あの夢のつづきを」

1/11/2025, 3:20:23 PM

あたたかいね、と
ココアのマグをくるむように持つ
君がほう、と息を吐いて
そして微笑む

僕はその向かいで
コーヒーを飲みながら
そうだね、と返す

しあわせだね、と
冬の星空を見て
君が言った

そうだね、と
コーヒーの水面に目を落として
僕は返した

星くずのように美しくて、
氷精の舞ように寒くて、
心に火を灯すようにあたたかな夜だった



たぶん、
君は気づいていないだろう
僕は別にコーヒーが好きなわけじゃないし
ココアなんかは甘くて苦手だ

幸せになんかなれないと
重い体を引き摺って
今日まで生きてきた

ほんとうはね、
微笑む君が、君がいるから
僕の体はあたたかいんだ

僕にもたれながら
鼻歌を歌う君がいるから
僕の心はこんなにも満たされている

とりとめのない話をする君
僕の面白くもない話を
一喜一憂して聞いてくれる君
どうしようもなく寒い夜、
共に毛布にくるまって
「あたたかいね」
と囁く君
夕暮れの空の下
振り返って僕を呼ぶ君

僕の心にあたたかな火を灯す
君がいるから、
僕は幸せなんだ

ぬくもりを惜しみなく与えてくれた君に
溢れんばかりの幸福があるように
しあわせを教えてくれた君が
寒さに震える日がけして訪れないように
そう願っている

そばにいられることの
儚さを知っているから
いつかその時がきたとしても
君には幸せだけがあって欲しいから

ずっとそう、願っている


「あたたかいね」

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