よしだ

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5/6/2024, 12:01:15 PM

明日世界が終わるなら
好きな人たちみんなと布団にくるまって、
ぬくぬくしながら眠りたい

「明日世界が終わるなら」

5/5/2024, 10:56:49 AM

 ありきたりで、耳にタコができるほど聞いててさ、昔は斜に構えて鼻で笑ったりしたけどもね、でも、みんなが言うだけあった。本当だった。

 君に出逢って、私の世界は180度変わったんだよ。

 昔はねぇ、要らないと思ってた。面倒だし、責任なんかとれないし、一人自由に生きていくのが好きで、これからもそうして行くんだって思ってたのさ。

 もちろんね、一人の時間も悪くなかったよ。いや、宝石みたいに大切で、私の人生に必要な時間だったと思う。楽しかった。

 だけど、あの人と出逢って、恋に落ちて、一緒になって。その時ですら、要らないと思ってたんだけどね。君に出逢わないように避けてたのに、お構い無しに君は私たちの間に降ってきたのさ。びっくりしたよ。

 そんでね、それだけ私たちに会いたいなら、まあ会ってもいっか、って決めたんだよ。これも巡り合わせだね、って。

 君の顔を見るまで、とっても大変だったしさ、思ってもみないことも沢山起きて、泣いた日もあったけど。君に会うために頑張らなくちゃいけないことも沢山あったけど。

 でも、君の顔を見て、君と出逢って、私の人生は思ってもみない方向へ進み出したんだ。

 君を待つ間だって、とっても大変だったけど、小さな小さな君と家に帰ってから、目が回るような毎日だった。

 最初の一年は、記憶も飛び飛びでね、写真を見てこんなこともあったっけね〜?とかさ。でも、みるみる大きくなっていって、そして驚く程に意思の強い君のことが、どんどん好きになっていった。

 たまにケンカもしたし、こっそりぶぅぶぅ文句言う日もあったけど、私よりも本当のほんとうに優先しようと思った命は、心からそう思ったのは、君がはじめてだったんだよ。

 こんな風に思う日が来ると思わなかった。私は、私の命が一番だったのに!全部ぜんぶ、君が変えたんだ。

 笑う顔につられて笑顔になって、服のサイズが変わってゆくことがうれしくて、苦しそうな様子に私も苦しくて、ただの泣き声なのに憎たらしく思って、君に母と呼ばれることがこんなに幸せだと思わなくて、私の心は君の虜だ。

 色んなことがあったね。うれしいこと、かなしいこと、たのしかったこと、つらかったこと。こんな日が来ると、あの頃の私はちっとも思ってなかったけど。悪くないなって思うんだ。

 君と出逢って、君に出逢えて、共に日々を過ごせて、私は幸せだ。これから先の未来が、不安もあるけど楽しみだと強く思う。
 
 昨日の君、今日の君、明日の君、毎日違う君をみるのが楽しみだ。いつか、もっともっと大きくなった君を目のあたりにする日を、わくわくしながら。健やかに、幸せに、大きくなってくれますように、って。

「君と出逢って」

5/5/2024, 4:22:17 AM

ぼんやりと寝台の上で天井を見上げている
あまりにもする事がないから
自然と意識が感覚に傾く

痛み
眠気
だるさ
重さ

布団の重み
枕の硬さ
指先が冷たい

アルコールの匂い
埃の匂い
太陽のかおり

眩しいなぁ

エアコンの動く音
誰かの足音
鳥の声と風の音
子どもたちの楽しそうな笑い声
犬が吠えている

上下する胸
呼吸の音
とくり、とくりと心臓の動く音

いきている


「耳を澄ますと」

5/3/2024, 8:06:12 PM

薔薇の生垣に隠れて
密かに静かに
しかし情熱を込めて

二人の恋は
許されないから

二人は幼く
力がないから

こうしてひっそり
つかの間の逢瀬をするのだ
そばにいられない時のぶんまで

離れがたいと
二人はきっと
比翼連理なのだと信じて
ままならぬこの世を呪う

秋の昼下がり
薔薇の香りが胸に染みる
二人だけの秘密だと笑いあって
この恋は永遠なのだと信じたくて
時よ止まれと、心が叫ぶ

鐘の音が鳴った
ああ、もう時間なのだ

別れを惜しんで
抱き合って

そして

ふたりはそっと
くちづけをした

蜂蜜のように甘くて
初めて知った煙草の味のように苦く
青い草花と、秋の香りの深い

柔らかく心に突き刺さる
恋の味、だった

「二人だけの秘密」

5/2/2024, 7:08:00 PM

いつか、手を離す時が来るなら
いつか、突き放す日が来るなら
いつか、いつか血みどろになりながら
向かい合い、泣く日が来るなら

優しくしないでほしかったなぁ
愛さないでほしかったなぁ

だって、優しくされたら
不器用でも愛があることを知っていたら
嫌いになれないじゃないか

どうして、右手で愛を示しながら
左手で人を刺せるのだろう
どうして、脆すぎるほど優しいのに
あなたに触れると傷つくのだろう

どうして、私に縋り付くその手で
差し伸べる私の手を振り払うのだろう
どうして、愛しているくせに
まともな愛をくれなかったのだろう

愛されたから、
今も愛されていると確信できるから

憎みたいのに
愛しくて
恨みたいのに
哀れんで
嫌いたいのに
大好きで

罵りたいのに、
本当は、家族のままでいたかった

私の心、ミキサーにかけたみたいに
ぐっちゃぐちゃだ
どろどろの怨嗟の声と
寂しい子どもの泣き声が
ずっとずっと鳴り止まない

どうしたらよかったんだろう、と
考えて考えて、人に聞きもして
でも結局、どうにもならなかったと
その答えばかり

そして今も夢に見る
あなたの夢を
まことの悪夢であるように

あなたがこの世を去る日を恐れている
私の心があらわになる日を

その日はきっと遠くない
私がその前に逝かなければ

最後に貰ったネックレス
仔猫のペンダントトップのネックレス
私の趣味じゃない、でも可愛らしいネックレス

見る度思い出す度にあなたの姿が脳裏に浮かぶ
どうしようもない感情が湧くのに捨てられない

ああ本当に、心の底から憎めたら良かったのに


「優しくしないで」

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