maria

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2/9/2024, 4:36:08 AM

「スマイル」

鏡に向かって笑いかける自分の顔は

なんとかなる程度だと

思って出かけたとしても

あなたには

全く通用しない。

つらそうだね、と言われた途端

スマイルなど崩れて

涙が溢れてしまう

そんな役立たずなスマイル。

1/20/2024, 10:40:29 PM

「海の底」

空高く飛ぶものが
鳶だとして

彼らにとって「空の底」は地獄
鳶にとっては死の世界

海の表面に浮かぶものが
鷗だとして

彼らにとって「海の底」は地獄
鷗にとっては死の世界

空の底は地球の一番外側の地上
海の底は地球の一番外側の表皮

地表が「大空の底」であるように
海底が「地球の表」であるように

終わりは始まり
始まりは終わり

           「海の底」


1/18/2024, 2:40:17 PM

「閉ざされた日記」


その在り処は
誰にも見えないし
誰にも触れられない

その存在は
誰にも語らないし
誰にも気取られない

閉ざされた表紙を開ける時は
私がすべての傷痕を
直視できるようになった時

私がすべての記憶を
直視できるようになった時

わたしが生きている間に
それが適わないとしたら
永遠に誰一人
それを知ることはないだろう

だからあなたがここで見たことは

だ れ に も

       いわないで


      「閉ざされた日記」

1/18/2024, 2:23:28 AM

「木枯らし」

コガラシは

厳しく 

冷たく

存在を否定し

枯らそうと、消し去ろうと、

つまりは殺そうとする意志を持つ

狂気を含む風。



しかし本来は

木を枯らそうとするものではなく

春の訪れを正常に感じさせるため

厳しさを木々に体験させている。

そうして木枯らし自身は

忌み嫌われ、眉をひそめられ

「来なければいいのに」と言われ

祝福も感謝も労いも享受することなく

春の訪れの前に

山の彼方へ独り消えてゆく。

その後ろ姿を誰にも看取られることなく。

          「木枯らし」

1/16/2024, 12:08:20 PM

「美しい」



美化は偽物

却って真逆

ほんとうに美しいものは

美しく見せようと虚勢を張る必要がない。


             「美しい」

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