社会に出て何年も経てば『新生活』という言葉は
次第に薄れていく。
だけど、いつだって新入社員を見れば初心を思い出す
ピシッとスーツをカッコよく着こなし、
これから始まる試練に緊張しながらも
これから起きるワクワクを待ち望む。
「あんな風だったかな」って彼らを見れば思い出す。
社会に出れば、
あの頃は思いもしなかった『何か』が私の前をはばむ
今までの経験と知恵で、
それが何であろうと立ち向かわなけばいけない。
でも、きっと解決策を導いてくれる、
新しい地図は存在する。
新しい地図は、立ちはだかる壁に貼ってある。
すぐには見つからないかもしれない。
でも、諦めずにもがいた先にきっとあるから、
もう少し、戦ってみよう。
そう思って今日も頑張る。
週末はまた推しに会いに行こう。
初めて本気で好きになったとしても
すぐには自分の心に花が咲いたかなんて分からない。
ただ何となく「あの人と話してると落ち着く」
と、思うだけ。
こんなにも言葉にできない高揚感なんて見当たらない
だけど、これが恋だと知ったとき、
もしも、これが運命かもって思えたとき、
その心は枯れた苗が生命力を取り戻して
新しい命を宿し、新しい花を咲かせるように
生き生きとした眩しい太陽のように明るくなれる。
その頃にすぐにでも相手に「好きだよ」って言えたら
とても幸せなことだと思う。
たとえ相手の心が自分に向いてなくても。
もし、その恋に気づいたときには手遅れだったならば
いつか出会えるかもしれない、
あるいは今よりも強い恋に出会えるだろうと
前を向くべきだと私は思う。
もしかしたら、それは恋ではなく夢かもしれない。
今日はお花見日和。
桜は緑のアクセントをちらつかせながら咲き誇る。
そんな桜を見て老若男女が笑顔を咲かせる。
人々はお祭り気分でさまざまな屋台にも足を運ぶ。
本格的なカメラを構える人はごく僅かで、
皆、スマホで桜を撮る。
私はインスタントカメラで手ブレを気にしながら
並ぶ桜の木を今日だけの風景と共に撮る。
数年前の今日は入学式だった。
あの日も桜が咲いていた。
一目惚れという言葉の意味を、
初めて実感したのもその日だった。
あの日はスマホもカメラもまだ持ってなくて
脳のカメラで一目惚れをさせた君を撮った。
写真なら今でも鮮明に残っているだろう。
脳内では君のあの日の姿はボヤけてる。
ただ、今でも鮮明に覚えているのは
あのときの恋した時の高揚感だ。
本気の恋をした時、
人はいつまでもその相手の姿を夢で見るのだろう。
先生、言いましたよね?
「君となら革命を起こせる」って。
もし、あれが本当ならばこの世から『恐れること』を
無くしませんか?
何事も恐れなければ私たちは前に進めるでしょ?
あれは冗談で言ったのに
君は本当の優しさを持っているんだね。
だから、未来へ向かう勇気がない人の力になれる。
それは、アンパンマンの生き様と同じなんだよ。
春風とともに桜の花びらがらせんを描きながら舞っていたあの日。
桜のカーテンから犬が飛び出してきて私に抱きついた
すると高校生くらいのカジュアルな服を着た君が現れ
「すみません!」と言いながら、
慌てて私と犬を引き離そうとした。
でも飼い犬のフレンチブルドッグは私から離れない。
私の顔をぺろぺろする飼い犬を見て困惑した君が
可愛くて私はつい笑ってしまった。
そのとき、つられて笑う君の笑顔は桜が似合うくらい
何かの始まりを楽しむように瞳が輝いていた。
それが私の本当の初恋の始まりだった。
きっと、初めての一目惚れ。
私は社会人で年は五つくらい離れた二人だったけど、
年齢の壁は透明で、君とは同い年のように話した。
春風とともにやってきたこの恋は、
初めて犬を飼う理由になり、
初めて純粋な男の子に出会ったキッカケにもなり、
初めて心から共に過ごしたい人を見つけられた物語。