春風とともに桜の花びらがらせんを描きながら舞っていたあの日。
桜のカーテンから犬が飛び出してきて私に抱きついた
すると高校生くらいのカジュアルな服を着た君が現れ
「すみません!」と言いながら、
慌てて私と犬を引き離そうとした。
でも飼い犬のフレンチブルドッグは私から離れない。
私の顔をぺろぺろする飼い犬を見て困惑した君が
可愛くて私はつい笑ってしまった。
そのとき、つられて笑う君の笑顔は桜が似合うくらい
何かの始まりを楽しむように瞳が輝いていた。
それが私の本当の初恋の始まりだった。
きっと、初めての一目惚れ。
私は社会人で年は五つくらい離れた二人だったけど、
年齢の壁は透明で、君とは同い年のように話した。
春風とともにやってきたこの恋は、
初めて犬を飼う理由になり、
初めて純粋な男の子に出会ったキッカケにもなり、
初めて心から共に過ごしたい人を見つけられた物語。
3/31/2025, 6:13:59 AM