冬空の太陽の下で日向ぼっこをする君が
子猫のようで愛おしかった。
もう一度会えるなら
その時も僕はあの日の真似をしたい。
あの時できなかった愛情を行動で示したい。
中学の家庭科の授業で編み物を習った。
かじった程度だから、マフラーを編んで終わった。
「もう、やることはない」
そう思っていたのに、
人生って何が起きるかわからない。
人生で失敗して心を病み、
試行錯誤の末、療養に行き着いた先が編み物だった。
偶然、母親が手芸が得意だったのもあり、
かぎ針編みから始め、中学で習った棒編みにも再挑戦
「家にいるだけでは気が滅入るから、教室に行こう」
そう言われて何となく編み物教室に通い始めた。
一番最初にかぎ針編みのベストを編み、
次に棒編みのセーターを編んだ。
さすがにセーターとなると
前身頃、後ろ見頃、袖二つ。の四つのパーツを編み、
パーツをつなげて
袖口や身頃の裾を編まなければいけない。
先生や先輩方の力を借りて半年くらいかけて完成した
そのセーターはとても気に入っていて
特別な日にだけ着ている。
今はタンスの奥で眠っているが、私の宝物。
今は編み物よりも
あの頃できなかった文章書きと読書を楽しんでいる。
私は母親と違って不器用だし、
もともと本が好きだから文章に触れる方が向いている
今になっても編み物には助けられたと思う。
あの頃は夢中で編み物をやっていた。
大きなミスをすると投げ出したくなる時もあったが
今思えば自分にとって大事な心のリハビリになった。
夢の中で私はどこかに向かって空を飛んでいた。
ハンドルを取られるような強い風。
しかし、低空飛行で飛んでいるこの空は限りなく青い
明るくて太陽の日差しが眩しい。
心地よい旅だ。
ガサっ
と何か大きな音がしたと同時に
私は突然、自分の翼をコントロールできなくなった。
翼のどこかに痛みが走る。
私はどんどん力尽きて地上に落ちていく。
ドンっ
地面に落ちたときのような鈍い音ではなく
誰かに受け止めてもらったような優しいドンっ。
失いかけた意識を取り戻しながら
うっすら目を開ける。
人間の男だろうか。
髪は短髪で目を細め優しく微笑んでいる。
私はその人の温かい両手の中で受け止められている。
見覚えはないけど、
聞き覚えのある声でその人は言った。
「大丈夫だよ。俺がそばにいるから」
その声だけがどこかひんやりとしていた。
仲のいい夫婦を見ると微笑ましいと思う。
私の両親はお見合い結婚だけど、
ちょっとしたケンカもしながら
仲むつまじくお互いに手を取り合って暮らしている。
今の私には彼氏はいない。
だけど、両親を見て「これが幸せなんだ」と
結婚したいなと、しみじみ思う。
今は出会いの場が増えた。
だからこそ、新たな価値観の恋愛が生まれている。
うまく言えないが、
近年、新時代の恋愛の形が様々な年代の人によって
作られたと思う。
もし、結婚できるなら
亭主関白とか妻の尻に惹かれるとかではなくて
釣り合った天秤にかけた関係でいられたらと思う。
そんなの理想の高すぎる綺麗事だと分かってる。
でも、子供が生まれた時
彼らが幸せを感じられるのはそんな両親だからこそ
虐待がなく『普通』に暮らせるだろう。
私の経験上。
おしどり夫婦の両親でも
子供の不登校は避けられない場合もある。
ただ、その原因を少しでも減らすには
いじめる側の子の心を愛せる親の余裕が必要かと思う
幸せな夫婦と道を誤ったと後悔する夫婦。
どちらも結ばれなければ、どっちになるかわからない
だけど、恋のうちに相手が後悔させない人かどうか
見極める力を今のうちに身につけておきたい。
一人ではどうしようもない時がある。
いじめられている同級生がいたら助けたいのに。
どうしても理解できない問題があっても、
担当の教師が嫌なやつだったらプライドの方が勝つ。
慣れた職場で『初めての壁』にぶつかった。
次のターゲットは自分になる。
あんな教師に馬鹿にされたくない。
今更聞けない『初めての壁』には『無知』と思える。
「どうすればいいの?」
誰でもいいからその問いの一言に
「どうしたの?」と応答してくれる人が
近くにいればそれ以上の幸せはない。
もし応答してくれる人がいないなら、
友達でも家族でも『誰か』そういう人を見つけるべき
もしかしたら小説などの本に答えが書いてあるかも。
諦めて泣き寝入りしないように
心を完全に病む前に誰かに助けを求めよう。