ネジが外れたウサギ

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中学の家庭科の授業で編み物を習った。

かじった程度だから、マフラーを編んで終わった。


「もう、やることはない」

そう思っていたのに、

人生って何が起きるかわからない。


人生で失敗して心を病み、

試行錯誤の末、療養に行き着いた先が編み物だった。


偶然、母親が手芸が得意だったのもあり、

かぎ針編みから始め、中学で習った棒編みにも再挑戦


「家にいるだけでは気が滅入るから、教室に行こう」

そう言われて何となく編み物教室に通い始めた。


一番最初にかぎ針編みのベストを編み、

次に棒編みのセーターを編んだ。

さすがにセーターとなると

前身頃、後ろ見頃、袖二つ。の四つのパーツを編み、

パーツをつなげて

袖口や身頃の裾を編まなければいけない。

先生や先輩方の力を借りて半年くらいかけて完成した


そのセーターはとても気に入っていて

特別な日にだけ着ている。

今はタンスの奥で眠っているが、私の宝物。


今は編み物よりも

あの頃できなかった文章書きと読書を楽しんでいる。


私は母親と違って不器用だし、

もともと本が好きだから文章に触れる方が向いている


今になっても編み物には助けられたと思う。

あの頃は夢中で編み物をやっていた。

大きなミスをすると投げ出したくなる時もあったが

今思えば自分にとって大事な心のリハビリになった。


11/25/2024, 5:36:48 AM