一度切れてしまった恋を戻そうとするのは
ただの徒労だろう。
終わってしまった恋にすがるのは意味がない。
だけど、その恋から得た思い出は意味がある。
あの人との楽しかったことや苦しかったことは
また誰かを好きになり縁が繋がったとき
思い出という名の経験が教科書になる日が来る。
もう恋はしない。
今の私はそう思ってるけど、
きっといつかはまた誰かにときめくだろう。
意味とか関係なく、ときめいて始まる恋だから。
毎晩のあなたからの電話でいつも励まされる。
悩み相談に乗ってくれるあなた。
あなたの会社の愚痴を聞くわたし。
二人の鉛のような重しを
毎日の電話という天秤に載せ、
互いに受け入れる事で釣り合う。
あなたが居てくれるから、わたしは前を向ける。
わたしが生きているから、あなたは支えられる。
あなたはこの詩を読んでおかしくて笑うかな。
でも、あなたがわたしの精神安定剤。
真っ暗な名前不明なこの場所で差し込む光過去の恋人
一筋の光から見るあの未来が輝くからまた夢で待つ
最後の一つの桜の花が散った。
葉だけが残り新しい自分の背中を押してくれた。
新緑が新たな門出を迎えている。
しかし、それも今日で終わりを遂げようとしてる。
秋になり、葉も色を変えて一枚、また一枚と散る。
「今年も頑張ったね」
季節が移るたびに姿を変える桜の木は
私にそう投げかけたようだ。
「あなたも来年また咲かせてね」
そう告げて私の目の前を降りていく枯葉を受け止める
桜の木は他の木とはちょっと違う哀愁を誘う。
満開の桜で新年度を祝って季節によって姿を変える。
あの頃の春の桜を知ってるからこそ
あの葉のない桜の木を見て悲哀に浸る。
鏡の中の自分は少し大人びて見える。
なぜだろう。
救いを求めて鏡に手を伸ばす。
鏡の中の自分と本当の私の手が重ねる。
そこにひんやりとした硬い感触が私を拒む。
私はリアルの学校生活がつらいから、
意見が欲しくて、助けて欲しくて
私は無表情に大きな声で訴える。
でも、鏡の中の自分は冷たく微笑んでいる。
そして向こう側のその人は
「がんばれ」と口を動かす。
もう、頑張れないよ。
泣きながら弱音を吐いて鏡から手を離すと
気づいたら鏡の中の私は
今の私に戻っていた。