最後の一つの桜の花が散った。
葉だけが残り新しい自分の背中を押してくれた。
新緑が新たな門出を迎えている。
しかし、それも今日で終わりを遂げようとしてる。
秋になり、葉も色を変えて一枚、また一枚と散る。
「今年も頑張ったね」
季節が移るたびに姿を変える桜の木は
私にそう投げかけたようだ。
「あなたも来年また咲かせてね」
そう告げて私の目の前を降りていく枯葉を受け止める
桜の木は他の木とはちょっと違う哀愁を誘う。
満開の桜で新年度を祝って季節によって姿を変える。
あの頃の春の桜を知ってるからこそ
あの葉のない桜の木を見て悲哀に浸る。
11/5/2024, 6:06:03 AM