ネジが外れたウサギ

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9/24/2024, 5:51:59 AM

幼い頃、ジャングルジムが怖かった。

まず第一に登り方がわからないし、

もしかして一生出られなくなる迷路なのかと思った。


だけど、

あの頂上に辿り着けたら

これからの道を何も恐れることなく歩めるのかと

ふと思った。


ある日、友達に誘われて勇気を出して

ジャングルジムに登った。

誘導されることに安堵したのか恐怖心なんてなかった


そして、その友達と二人で頂上まで行った時

目が回った。

巧みに絡むジャングルジムの迷路のような格子が

私には複雑な知恵の輪の中にいるように思えた。


私が足を滑らせて落ちそうになった時、

友達は私の腕を掴んでこう言った。


「大丈夫だよ。

ここは勝負に勝った僕たちの優先席だから」


9/23/2024, 8:09:55 AM

サヨナラさえ言えぬなら私はどうすればいい?

私はあなたを裏切ったの。

だから、別れの言葉を言わなくてはいけない。


誰かの声が聞こえる。

「今までありがとう」


君は誰なの?

「あなた」なの?

もし、そうならば…


誰かの声に涙を流す。

「せめて許せないと言って」

9/22/2024, 5:57:02 AM

秋になると『君』を探す


普段は読まない小説を

読書の秋のせいか読みたくなる


だから今年の秋も恋をする

小説の中に現れる『君』に


筆者のイメージの『君』とは別に

私のイメージで『君』をつくりあげる


実在しない人に恋をする

アニメとは違う想像の世界に住む『君』に


去年の『君』は服には疎いけど音楽センスは秀でる

実際に会って話してみたかった

そう思わせる人だった


秋になると『君』を探す

秋になると紅葉のように頬は染まる

9/21/2024, 5:32:38 AM

「お金があれば幸せになれる」

昔はそう思っていた。

確かに今でもそう思う。

お金があれば、ほとんどのものが手に入る。

だけど、信頼という積み上げてきた努力は

お金では買えない。

いじめられて、心を病み、引きこもりだった経緯から

私は身に染みて感じている。


お金を稼ぎ、

口座に振り込まれた時の達成感は計り知れない。

改めてお金のありがたみを感じる。


お金は大事だと分かってる。

それ以前に信頼を得なければお金は稼げない。

自分が体調を崩した時に

その信頼は真心に変わり、勇気につながる。

9/20/2024, 7:54:02 AM

最初で最後の晴れ舞台。

ウエディングドレスを着た君と

いつも通りのカジュアルファッションの僕。

招待客も神父もいない教会の前で

二人きりで夜空に咲く花火を見て一瞬の愛を交わす。

もうすぐ警察が僕を逮捕しに来る。

分かってる。

僕が彼女の心を盗んだからこそ今があると。

僕が彼女の夫を異世界に送ったから今があると。


本当に申し訳ない、神様。

今だけ時間を止めてよ、神様。

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