幸せに区切りの時を告げる時があるように
シンデレラのように不幸にも終わりを告げる時がある。
ただ、その不幸の終わりの時を誰が告げるのか
それは他の誰でもない、自分だ。
「そんなのあり得ない」
そう思う人も少なくないと思う。
だけど、自分を変えることで不幸は幸福になる。
舞踏会に行こうとしたシンデレラは勇気を出して
前へ進んだ。
継母たちのいじめによってその道は閉ざされる。
しかし、それでも立ち向かおうとした彼女の勇気と
共に暮らす仲間たちへの彼女からの無垢な優しさが
功を奏したのだ。
私はシンデレラにはなれなかった。
だが、目に見えぬガラスの靴はある。
何か不安定なことがあったら、その靴を履く。
それで立ち向かえば心配していたことも
少しずつでも解決に導かれる。
あなたにもあるはずだ、そんなガラスの靴が。
それは、魔法というフワッとしたものではなく、
あなたの中にある芯の強いもの。
苦しみに耐えてきたあなたなら、すでに履いている。
あとは問題に立ち向かうのみ。
目に見えぬあなたの優しさが、ガラスの靴の引換券。
砂浜で見つけた桜色の貝殻
君はそれを「垢抜けている」と言った
なぜかと訊ねると君は
「恋する乙女の頬だから」
その答えを聞いていた近くの少女は微笑んだ
あの人は誰よりもキラキラしてる
きっと舗装されてない道を歩いて来たのだろう
底知れぬ努力の積み重ねが手に取るようにわかる
その人しか持っていない
人生の厚みがあの人の誠実さと笑顔で伝わってくる
「おはよう」とか「お疲れ様です」などのあいさつ
相手の性格や好みに合わせて話題を作り、話しかける
一人で頑張っている人に声かけや手助けをする
悩んでいる人がいたら「どうしたの?」と訊ねる
こんな小さなことでも塵も積もれば山となるという
信頼できる間柄を生むキッカケになる
私は今の職場に勤めるようになってから
人間関係の構築に勤しんだ
まだ深くは仲を深められないけど笑い話はできる
難しい仕事でも教えてもらえれば何とかこなせる
人間関係における信頼は簡単には蓄積できない
でも些細なことの積み重ねが今の自分を作る
もう少し踏み込んでさらに仲良くなりたいけど
いじめの経験も些細なことすら
明るい性格の中に闇として残る
いじめられたり、裏切られたあの頃。
悔しくて、情けなくて、腹立たしい。
そんな言葉たちしか出てこない、闇の日々。
心の灯火はいつも推しの言葉だった。
言葉といえど私の場合は彼女が紡ぐ歌詞。
不幸な境遇をたどって生きてきた彼女だからこそ
書ける歌詞があった。
私はそんな歌詞に励まされ、
何かあったときは彼女を思い出し、踏ん張った。
今となっては推しが変わって
今流行りのバンドの曲の歌詞が心の灯火だ。
「ケセラセラ」と頭で唱えながら、仕事している。
今でも私の学生の頃の彼女が書いた歌詞は
私のつらい時に生かされている。
時代の流れや人生の岐路によって
そのときの心の灯火の曲は変わる。
それでも、
一度でも支えてくれた心の灯火となった推しの歌詞は
頭のどこかに刻まれていて、
不意を突いて助けてくれることがある。
それが私にとって小さくても光る心の灯火。