未来が見える力
サラリーマンの男性が手に入れた
彼は伴侶を作りたくて
その力を手に入れ駆使した
しかしその女性に裏切られ
悲しみの果てに彼岸の向こうへ走っていった
小さな少年が手に入れた
彼は宇宙飛行士になりたくて
その力を手に入れ駆使した
無事将来の夢を叶え
青い地球を見ることができた
しかし突如現れた隕石に衝突し
後悔の末に彼岸の向こうへ飛ばされていった
一人の少女が目の前に立つ
未来が見える力
一瞥した後握り拳でそれをぶん殴った
その力は鏡のように粉々になり砕け散った
少女は何もなかったかのようにその場から立ち去る
それから70後
彼女は望む未来を手に入れていた
お題『未来』
一年前
僕は変な夢を見た
辺りにあるビルが壊れて
道路はたくさんヒビが入ってて
都会のポイ捨てみたいに死体が転がっている
遠くからは緑色の煙が立ち上ってて
それを唖然と見ている僕
変な夢だなって起きた時に思ったんだ
だけど夢をすぐ忘れる僕が
その夢だけはずっと覚えていた
頭の片隅にこびりつくように
ふとした瞬間に思い出していた
まさかそれが
伏線だとは思わないじゃないか
お題『一年前』
辞書みたいな分厚い本
コンビニに売ってそうな本
美術品として保管されている本
君の好きな本は?
え、僕?
そうだな
世界史の本が好きかな
なんでかって
うーんそうだな
人間って愚かだなってわかるから
そう言った彼の顔は
ニタニタと口が裂けながら笑っていた
お題『好きな本』
学校の屋上で
寝っ転がって空を見る
夕方の肌寒い風が短い髪を揺らす
オレンジなのか
青なのか
はっきり判別ができない
あいまいな空が広がっている
誰にも聞かれず
誰に聞かせるわけでもなく
自身の悩みをぽつりぽつりと
空に向かって投げかけた
がちゃりと後ろから扉の開く音がする
その人物はからかいながらそばに立ち寄る
次は君に悩みを投げかけた
お題『あいまいな空』
これはすき
ぎゅってだきしめた
これはきらい
ぽいってすてた
これはすき!
いっしょにごはんをたべた!
これはきらい!
ごはんにした!
まずかった!
これはすき?
わかんなかったからおいておいた
これはきらい?
わかんなかったらいっしょにおいた
これはすきってわかった!
でももううごかなかった
これはきらいだっておもった!
うごいてたからすてた
ただおかあさんにいわれたまんまでやってるのに
どうしてへんなめでみるの?
お題『好き嫌い』