ふうり

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6/14/2024, 10:17:23 AM

学校の屋上で

寝っ転がって空を見る

夕方の肌寒い風が短い髪を揺らす

オレンジなのか

青なのか

はっきり判別ができない

あいまいな空が広がっている

誰にも聞かれず

誰に聞かせるわけでもなく

自身の悩みをぽつりぽつりと

空に向かって投げかけた

がちゃりと後ろから扉の開く音がする

その人物はからかいながらそばに立ち寄る

次は君に悩みを投げかけた

お題『あいまいな空』

6/12/2024, 12:43:52 PM

これはすき

ぎゅってだきしめた

これはきらい

ぽいってすてた

これはすき!

いっしょにごはんをたべた!

これはきらい!

ごはんにした!

まずかった!

これはすき?

わかんなかったからおいておいた

これはきらい?

わかんなかったらいっしょにおいた

これはすきってわかった!

でももううごかなかった

これはきらいだっておもった!

うごいてたからすてた


ただおかあさんにいわれたまんまでやってるのに

どうしてへんなめでみるの?

お題『好き嫌い』

6/11/2024, 1:26:45 PM

この街の中心にそびえ立つ塔

真上にある満月が全てを照らし

全ての影を作っていた

一人の少女はそんな塔の屋上に立っていた

風が強くて体を揺らし

彼らのように突き落とそうとしてくる

ゆっくりと一回転し街を見渡す

ビル群は残業成果の灯りが並び

住宅街は睡眠時間だと強制するように静かだ

大好きで

大っ嫌いなこの街

月に向かって手を伸ばした

だれか助けてくれる人が降って来ないかなって

そんな期待をした

でもその期待を裏切るように

何が月から降りてくる

あれは一体?

お題『街』

6/10/2024, 10:46:57 AM

『死ぬまでにはやりたいことノート』

空っぽの部屋の床に

この一冊だけがポツンと置いてあった

昨日この部屋は全て片付けたはずなのに

起きて様子を見たら既に置いてあった

この家にはもう自分一人しかいないし

強盗とかが侵入した形跡もなかった

ではなぜこのノートがここにある?

恐る恐るノートをぺらりと開く

そこには一つの言葉だけが刻まれていた

『生きる』

ぽろぽろと涙がこぼれノートに落ちる

悲しかった とにかく悲しかった

これしか願いがなかったなんて

それすらも

それすらも叶えられなかったなんて

早朝の朝日が差し込む部屋で

一人ぼっちの男性が泣いていた

お題『やりたいこと』

6/9/2024, 2:05:36 PM

眠気全開の顔に

カーテンの隙間から溢れる朝日が当たる

ごしごしと目を擦り

気怠げにゆっくりと身体を起こす

つい二日までまであんなに寒かったのに

冬なんてなかったよと言わんばかりに温かい

外からちゅんちゅんとすずめの鳴き声が聞こえてくる

さあ

支度をして出かけよう

今日から新しい人生だ

顔を洗い

朝ごはんを食べ

服に着替えた

外からごみ収集トラックの音が聞こえ

バタバタと準備を終える

少し匂いがきつい香水をかけ

何かがはみ出ているゴミ袋を持って

駆け足で外に出た

お題『朝日の温もり』

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