ふうり

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6/8/2024, 11:21:53 AM

二つの手が僕の目の前に差し出された

一人は緑の少年

僕の弟子だ

もう一人は赤の少女

僕の幼馴染だ

今僕は岐路にいる

どちらかの手を取れば

どちらかと別れなければならない

どちらかの幸福を得て

どちらかの不幸せを得る

怖い

怖くてしょうがない

どちらかを見捨てるのも

自分が後悔するのも

だから僕は

どちらも選ばなかった

二人とも救える道があると信じて

今僕は

自ら開拓した岐路を歩き始めた

お題『岐路』

6/7/2024, 12:49:01 PM

ごうごうと隕石が降り注がれる

たくさんの人が働く高層ビルに

賑やかな観光地に

元気が溢れる学校に

慈悲などなく全ての命を奪っていく

そんな光景を僕はただぼーっと眺めていた

足元には炎の海が広がって

沢山の死体が群がっていた

隣にはあの子だった物が存在している

せめてさいごに

きみといたかったな

お題『世界の終わりに君と』

6/6/2024, 10:11:39 AM

あーあ最悪だ

君がそのことを知ってしまうなんて

君にだけは絶対バレたくなかった

今までの努力も

これからの未来も

迎えるはずのない運命も

全て無駄になった

あっはは

もう笑うしかない

だから僕は意志を捨てた

自らの責任の石も

自らの運命を左右する意思も

悪魔という名の川に落とした

お題『最悪』

6/5/2024, 12:44:57 PM

「何か隠していますよね」

目の前の女性から放たれた

冷蔵庫の中より冷たい言葉は

僕の心に突き刺さった

そうだどんぴしゃだ

確かに僕は秘密を抱えている

それは誰にも言えない

あの取引があるから

どんなに理不尽な状況になっても

この秘密だけは明かせない

だって


あの子が待っているから

お題『誰にも言えない秘密』

6/4/2024, 10:23:34 AM

目が覚めたら見知らぬ天井

真っ白い天井に所々黒いシミがある

少し眩しい明かりが部屋を照らす

体を起こすと木製のテーブルがあって

紙とペンが置いてある

その紙にはなにも書かれておらず

出口のドアも窓もない

紙を裏返しても何も書かれておらず

無意識にペンを取って紙に書こうとした

あれ?

………

胸から既視感が湧き上がる

それはまるで噴火した火山のようだった

不安が恐怖が絶望が込み上げてくる

いまは

なんかいめ?

お題『狭い部屋』

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