今、恋人と別れてよかったところ。
早く次の相手を見つける行動ができるところ。
今が1番若いから。
別れてから1週間後、マッチングアプリで1人の男性に会った。
話もはずんで、一緒にいて苦ではない。
当たり前のようにご馳走してくれたし、違う路線なのに改札口まで送ってくれた。
改札を通って振り返るとこっちを見ていてくれた。
ただ、私の心は動かなかった。
むしろ動かないからこそ、無駄に緊張せず、気負わず、自然体で話ができたのだと思う。
「私はもう、他の人を好きにならなければいけない」
その事実が、実感を伴い、心を締め付けた。
別れてから1番辛い時間だった。
落ち込んだまま2日経ち、このままじゃいけないな、と思った。
だけど恋愛したいモードではない。
何か夢中になれるものはないだろうか。
今年の目標はフッ軽と充実。
そうは決めたが、細かな目標を立てていなかった。
まず、仕事もプライベートも目標を書き出してみよう。
頭を悩ませていた時、1通のLINEが届いた。
新たな仕事の打診だった。
"英語での仕事"
ワクワクした。
英語はぼんやり勉強し続けていたが、スラスラと話せるわけではない。
これを機に本業についても、英語についても勉強し直そう。
仕事ができて英会話も身につく。最高じゃん。
フッ軽が目標の私はすぐに英語アプリを再ダウンロードする。
気づけばワクワクの気持ちに心は占領されていた。
新しい目標は、前を向くのに役立つようだ。
前を向いたら、思い出は過去になる。
彼との時間は確かに幸せだった。
彼との時間は確かに私自身を成長させてくれた。
あなたを通った今の私を私は好きだ。
ありがとう。バイバイ。
幸せになってね。
まぁ、私はもっと幸せになるけどね。
年々、好きになってきたもの。
帽子やマフラー・スカーフなどの小物である。
いろんな色柄で、ついつい目移りし、買ってしまう。
特に昨年の夏は、私の帽子魂に火をつけた。
紫外線はお肌の大敵である。
都会に引っ越して数年、街では不審者のように紫外線対策をしている人をよく見かけるようになった。
私も例に倣って、帽子とサングラスでキメていたのである。
帽子を被ることに慣れてきた頃、季節は秋冬になった。
ニット帽がとても可愛い季節である。
ニット帽は可愛い。
だが、なんだか被るとしっくりこない。
そして帽子を脱がなければいけないシチュエーションで、髪の毛はペタンである。
難しい。非常に難しい。
洋服なのか、ヘアアレンジのせいなのか。
年齢や体型のせいなのか。
日は伸びてきたが、まだまだ寒い日が続いている。
まだ、実験の猶予はある。
せっかくマフラーと手袋とお揃いで買った、ユニクロ×アニヤハインドマーチのニット帽を。
色々試しながら、帽子をかぶって、出かけよう。
小さな勇気を持って、マッチングアプリを再開した。
お別れしてから3日目の夜だった。
そのアプリは事前のやり取りなく、マッチングした相手と直接会って1時間お茶するというものである。
いいねして、お互いに気を遣いながらやり取りを続けて、2〜3週経ったら会ってみるような、そんなやり取りが面倒な私には合っているのではないかと思う。
ちょうど1年前に始めて、数人と会った段階で元からの知り合いに告白され、アプリは休会していた。
そして今日、また小さな勇気を持って1人の男性に会ってきた。
今までにアプリで会った人の中で、1番優しく、話も弾んだ気がする。
なんだか私はとても自然体で、まるで元からの知り合いのように話せた。
でも、新たな恋ができる予感はしていない。
帰りの電車で、私はすごく悲しい気持ちになっている。
もう別れた彼と会うことはないんだと、何故か今になってすごく実感している。
割り切れていたと思っていたが、なかなか気持ちはついて来れていないようだ。
どうしたものか、と私は吊り革にピントを合わせずに狭い車内の天井を仰いだ。
『終わらない物語』
ドラマや映画などの、"後はあなたにお任せします"
の終わり方があまり好きではない。
例えば恋愛映画なら、
"想いが通じ合ったのか・そうでないのか"
"どちらを選んだのか曖昧"
などである。
素敵なラストだと思うかどうかは別として、物語としてちゃんと終わりを見せてほしいのである。
ただ、最近は自分の好きな物語の続きを考えるのも悪くないなと思えるようになってきた。
『散々感情移入していたのに自分だけポーンととり残されるさびしいカンジがすごく嫌。
それでどうするかとなったらもう自分でつくるしかないなという、とり残す側にまわろうとこの世界に来ました。』(一部抜粋)
中学生の時に好きだった銀魂の、この空知先生の言葉がずっと残っている。
ふと思い出して、自分の好きなように好きな世界に心巡らせてみたりする。
私の中ではずっと物語が終わらない。
それも意外と悪くないのだ。
瞳を閉じて、思い浮かぶ顔は、やはりこの前別れた恋人の顔である。
何度も何度も恋人恋人と、どれだけ引きずっているのかと思うかもしれないが、まだ別れてから4日目である。
そりゃ、顔が浮かぶのも仕方がないのだ。
別れた翌々日までは、幸せで楽しかった思い出ばかりが瞼の裏に映った。
私の中の大事な部分がぽっかりと空いたような寂しさがあった。
だが今はそれだけではなく、冷静に彼のことや彼との思い出を考えることができるようになってきた気がする。
優しく、気が利いて、私のことをよく見ていた。
私のために努力してくれる彼が好きだった。
気が弱く、自分の意見を少ししか言えず、我慢していた。
良い彼氏であろうとしたが、それができない自分が嫌になったのだろう。
私はいつしか、できない課題を背負わせる"敵"になってしまっていたのだ。
あの時、こんな話ができていたら。
こんなふうに聞けていたなら。
彼は本心を話してくれたかもしれない。
答えの出ない自問自答を繰り返している。