貴方がこぼれ落ちてくればいいのに
まだ受け止めることを知らない私の白い胎に
お題:雫
喜びも 幸せも 平穏も
なんにも わたし いりません
それはきっときっと いつの日か
悲しさや苦しみの 先触れになるでしょうから
それなら わたし いりません
なんにも 感じない 石ころにでも なりたいわ
できることなら アウイナイトに なりたいわ
青色が好きだから 青い石に なりたいの
目が覚めるような 青い石になれるなら
わたし なんにも いりません
お題:何もいらない
とりあえずロトの当たり番号を教えてくれ
当たった金で愛でも幸せでも買うからさ
あとあいつの死に顔が見てぇな
どうせロクな死に方しねぇだろうから
見て笑ってやるよ
それと俺が愛してたやつの未来を見せてくれ
幸せそうにしてるかどうかだけでいい
不幸そうだったら車飛ばして拾いに行くからさ
あとはそうだな
俺がつまんねぇ顔して死んでるとこも拝んどくかな
最後に見える風景くらいは知っときたいしな
だからって今から品行方正にする気はねぇけどよ
ま、そんなもんかな
お題:もしも未来が見れるなら
世界は初めから無色だった
誰かがりんごは赤いと教えたから
その日からりんごは赤くなった
だれかが教えた通りに色づいてゆく世界で
私は貴方の色を測りかねている
お題:無色の世界
一陣の風抜ける
制服のスカートを翻す
切り揃えた髪を持ち上げる
思わず目を瞑る
桜がざわざわと笑いあって散ってゆく
陽光が白く暖かくて 泣きたくなるほど柔らかい
だめだ
ちゃんと前を向かなくちゃ
貴方が もう卒業していってしまう
この桜の雨を
私の伸ばす手をも潜り抜けて
永遠に届かないところへ行ってしまう
恨めしきかな 散る桜
急いで散らいで良いものを
されど桜は散り際こそが華
私の恋もいずれ時の川に揺蕩う花筏となりて
根雪の下で次来る春を待ち侘びる
全てのことは たまゆらの出来事
お題:桜散る