一陣の風抜ける
制服のスカートを翻す
切り揃えた髪を持ち上げる
思わず目を瞑る
桜がざわざわと笑いあって散ってゆく
陽光が白く暖かくて 泣きたくなるほど柔らかい
だめだ
ちゃんと前を向かなくちゃ
貴方が もう卒業していってしまう
この桜の雨を
私の伸ばす手をも潜り抜けて
永遠に届かないところへ行ってしまう
恨めしきかな 散る桜
急いで散らいで良いものを
されど桜は散り際こそが華
私の恋もいずれ時の川に揺蕩う花筏となりて
根雪の下で次来る春を待ち侘びる
全てのことは たまゆらの出来事
お題:桜散る
4/17/2024, 10:51:06 AM