我が脚を 滑り台にし 登る笑み
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我が子が産まれてから子ども以下の年齢の子は皆とても可愛く思えるようになったのだけれど、この現象っていつまで続くものなのかしら。
子が中年になっても可愛かったら、人類皆愛おしい!みたいになるのかしら。
テーマ 過ぎた日を想う
誕生月 陽に目を細め そこにある
見えぬ星座に そっと手を振る
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慣れ親しんだ星座占いの星座って太陽とともに上がるんですね。どうりで誕生月には見えないわけだ。
どうにも「ムーンライト伝説」が離れなかったです。子どもの時の記憶ってすごい。
テーマ 巡り逢えたら
あなたもあたしも量産品
それでもあなたと出会った一期一会
巡り逢えた喜びに
希少性などどうでもいい
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テーマ 踊りませんか
うちの母ちゃんは、目立ってナンボの精神でできている。
ピンクの髪に派手なピアス。重そうなつけまつ毛に武器みたいな付け爪。笑えば喉の奥が見えるし、怒って近づいてくる時は地面が揺れる。参観に来たら廊下の端から俺を呼ぶし、運動会では誰よりも声を出して垂れ幕と団扇で応援してくるし、文化祭の劇では俺が悪役で高笑いしてるシーンなのに号泣してる。
さて、今日は夏祭りだ。老人会のじいちゃん、ばあちゃんが静々と踊る中、ピンクの半被に鉢巻きで勢いよく柏手を打って踊っているのは……うちの母ちゃんだろう。
半ば強引に踊りに誘う姿に恥ずかしさを覚えながらも、踊り始めた人々は案外楽しそうにしている。
あれは実は踊りたかった小さい子を連れた親子だな。
あ、めっちゃアレンジした踊りで若い子にダンスバトル挑んでる?
ビール片手のオッサンズの踊りはあまりに陽気だ。
巻き込む姿に感心していると、母ちゃんと目が合ってしまった。
「何傍観者のカシコのフリしてんだい!ほらほら同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!」
ウチの盆踊りは阿波踊りじゃないけどな。
ま、俺がどんな対応をしたって「お前の母ちゃん強烈だな」と笑われる未来は変わらないだろう。
俺はひと息つくと、母ちゃんに見つからないよう被った狐の仮面を脱ぎ捨てて、隣の同級生に差し出した。
「コレ被っててでいいので、良かったら一緒に踊りませんか。」
後日、どちらかが仮面を被って盆踊りを一緒に踊ると恋が成就するなんてまことしやかな噂が出来上がっていた。
ついにうちの母ちゃんは恋のキューピッドの異名まで手に入れたらしい。
ふふん。流石は俺の母ちゃんだ。
同じ病院で
同じ日に産まれ
同じ幼稚園に通い
同じ小学校に通い
隣の席で馬鹿をやり
全く別の人生を歩み
あの日喧嘩別れした君と
もう一度出逢えたら
地元の公園の変わらない変わった石像を見る度に
そんなことを考えて
かける言葉と合わす顔に悩んで
のっぺらぼうに、しばしなる。
テーマ 奇跡をもう一度
黄昏の 母の白眉や 意思強し
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母は頭のキレる白眉な人でもありまして、圧の強い人でもあります。
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物思いに耽るという意味の黄昏れるが本来使われてきた言葉では無いことを初めて知りました。使ってましたし、好きな誤用?です。黄昏れる柴犬と一言書いたときの哀愁さと可愛さを他の言葉で補填できる気がしない。
本来使われない言葉といえば、「贈る言葉」の「暮れなずむ」も好きな言葉です。もっと色々と使われて欲しい。
黄昏と言われるとSPY×FAMILYになるし、かわたれ時(彼は誰)につながって、かたわれ時を経て、「君の名は。」を見たくなっちゃうよね。
言葉で言うと、朝方のレパートリーが好きです。あさぼらけとか、あけぼのとか、語感がほのぼのするんですよね。(かつての横綱も思い出しますが)
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自分用メモ
宵→夜半→暁→東雲→曙
薄明(両 天文学では太陽の高度によって市民薄明、航海薄明、天文薄明という用語が定義されている。)
黎明、未明、朝まだき、残夜、朝ぼらけ、払暁、早暁
朝焼け、夕焼け
黄昏時、逢魔が時、大禍時
かわたれ時(両だが朝多)
夕暮れ、夕間暮れ(夕目暗)、宵の口、薄暮、火灯し頃
白眉は優秀な人が眉が白かったと言う故事からだそうだが、そこからの験担ぎか、眉の白髪は宝眉なんてありがたがられるものでもあるらしい。