霜降り肉の看板を
肴にかっこむ入院食
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退院したら絶対食べてやる。
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テーマ 窓から見える景色
今回のテーマである形の無いものとは、なんだろう。形の無いものは目に見えない、触れられない。一定の形が無いものは、目に見えるし、触れる。アメーバとかね。
サンテグジュペリじゃないけれど「本当に大切なもの」とかなんだろうか。想い出とか、優しさとか、思いやりとか。でも想い出は、形を持っている気がする。優しさとか思いやり自体は形のないものだけれど、形に出して行動しなければ意味がないもののようにも感じる。
思念が形のないものとしても、形の無いものは綺麗なものばかりではない。恐れも疑念も我欲も形になってしまえば恐ろしいものもたくさんある。
いや、うーん、形になって欲しくてもなってくれない幽霊も、形の無いものとして、いるかしら、ね。
あの人の 顔見せてくれ 枯れ尾花
ポニーテールを揺らしてよく笑っていたあの人とか。
チエミは一人遊びが得意だ。今日は相棒のクマのぬいぐるみ「べーちゃん」とジャングルジムで二階から目薬ごっこをしている。
ジャングルジムの一階の真ん中にハンカチを置いてベーちゃんを座らせる。ぐんぐんと一番上まで登っていくと隣のエリアでドッヂボールをしている同い年くらいの子達が見えた。
(仲間に入れてもらえるかな。声かけるのこわいな)
チエミは引越ししたばかりだ。他で友達になるのを待った方が良いかもしれない。いや声をかけなければ始まらないんじゃと逡巡し、ベーちゃんに目薬が当たればと願をかけた。
ポケットから水を入れたお魚型の醤油さしを取り出す。
無心にベーちゃんの目を狙っていると後ろから声がした。
「なにしてるの?」
チエミより少し小さな女の子だ。今日はこの子と遊ぼうか。
チエミはニカッと笑うと女の子の横に飛び降りた。
「悪の組織に私の大切なクマのぬいぐるみが囚われちゃったの。横からは警備が厳重だから上から行けば取り返せると思うんだよね!一緒に取り返してくれる?」
かくしてジャングルジムは悪の砦になり、魚の醤油差しは小さなレーザーガンになった。
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声をかけてくれた子が想像力で遊べる子で良かったね、チエミ。ベーちゃんは後で洗おうね。
テーマ 声が聞こえる
向かいに座って話しかけてくる声、隣家から聞こえる声、電話から聞こえる声、レストランで聞こえてくる隣の席の人の声、ラジオから聞こえる声、テレビやYouTubeから聞こえる声、頭の中に聞こえる声。
色んな声があるけれど、ラジオから聴こえる声が孤独感に苛まれた時助けになる経験をされた方はおられるだろうか。
深夜2時15分、そんな真夜中から生配信されるあるインターネットラジオが、僕のことを話しているのではないかと疑念をもったのは、先週の金曜日のことであった。
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秋味や 期間限定 目はハート
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秋恋という言葉を初めてききました。秋に始まる恋は長続きするだの、移り気による恋だの、色々ネットにはありましたが、季節限定の恋という概念が不思議です。あでも夏の恋はひと夏の思い出みたいなのは刷り込まれているかもしれないですね。
季節限定ならさつまいも味のバリエーションが素晴らしい、加工食品界隈が好きです。秋でもやっぱり花より団子。