実つけなお 雨に佇む 弟切草
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せっかく七語のテーマなので俳句にしました。季語は名作サウンドノベルゲームが有名すぎる弟切草で、なんだかおどろおどろしいものと思っていましたが、その実態は有用な薬草なんですね。
鷹の秘伝の名薬であることを暴露し兄に斬られた弟の血飛沫、西洋では聖ヨハネが処刑された時の血飛沫なんて云われる黒点が主に葉にあって、それが薬効のもとで、抽出しても血の色っぽいからそんな俗説が産まれたのかもしれないそうです。
漢方にするには実をつけたものを採って枯らして煎じるようですが、実の付け方も結構美しくて、赤色を上向きにつけるのだそう。亜種も多くて、なんと、園芸種のヒペリカムにキンシバイもオトギリソウの種類なのは驚きました。ヒペリカム、可愛くて好きなんですよね。
そんな弟切草が名前の為に忌み嫌われても意に介さず雨の中すっくと佇む姿を想像して歌にしました。
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傘照らす 雨に佇む 岡山城
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季語がないので俳句とは言えないけれど、雨に濡れる城が好きなのです。
岡山城は8月に和傘灯でライトアップされてるらしい。雨を遮る為の傘を使った灯で照らされるなんて面白かったので、季語よりこちらを選んでしまいました。いつか行きたいな。来年もされるかな。
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佇むって、漢字が似ていることもあって侘びしい感じがしますよね。雨なら尚更。
そんな姿に憧れて、雨に打たれる青春ごっこしようぜと友達とふざけたことがあります。雨の中傘も刺さずに佇むのは、美人が1人で悲劇とともにやるから絵になるのであって、複数人でやるのは側からみたら怖かったかもしれない。ものの数十秒でおかしくなって噴き出しました。良い想い出です。お勧めしません。
テーマ 私の日記帳
不思議の国のアリスのお茶会が表紙のリングノート、日記が一緒になった臙脂色の合成皮革が表紙の手帳、白紙が続く文庫本スタイル、日記アプリ等様々なものを試してきたが、一向にちゃんと続いた試しがない。
大概記憶にございません状態で生きているのだから日記をつけた方が良いとは常々から思ってはいる。警察に先月のアリバイなんぞ聞かれた日にゃあ、覚えてなさすぎて無罪を立証できる気がしないし、証言台には一生立たない方が世の中の為になる。助けて名探偵。
続かない理由は、負の感情モードになるとやたらポエマーになるのと、そうでなければくだらないことを書きすぎるから。そして生来怠けることが大好きだからだろう。
例えば今日なら、子どもの詩集を集めた「たいようのおなら」の癒し効果が高くて旦那に薦めたら笑顔が見れて嬉しかったとか。
息子が帰宅する時インターホンカメラにジャンプでピースしてくるの可愛いとか。
初めて自分で爪切らせたとか。
秋桜の種買えたとか。
旦那咳してるの新たな風邪かとか。
まだまだあって、優先順位をつけられないのも問題なんだろうな。
その点このアプリは、適度に他人を感じられて助かっています。書くテーマも与えられて優先順位も付けやすいしね。ありがとうございます。
まぁ、日記じゃないのでアリバイ説明にはならないでしょうけども。その時はやっぱり助けて名探偵。
向かい合わせの電車の席
すました顔で膝を合わせる
ごうっとトンネル入ったら
窓に映るお隣さんと目が合った
トンネル抜けたら良い天気
駆け出したいくらい良い天気
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向かい合わせで電車に座る時、前の方をジロジロ見るのも失礼かなと思い車内広告や車窓を見るのですが、窓鏡で目が合うとなんだか無性に恥ずかしくなるんですよね。外用に背筋を伸ばしてたりなんかすると余計に。
お手洗いで鏡を見ながら手を洗っていたり化粧直しをしていたりする時も、横に急に来られると無駄にびくつきます。鏡の中の自分の顔が、人が見ている自分の顔と違うことを知っているから恥ずかしくなるのかな。
テーマ やるせない気持ち
現実の話では、それなりに仲の良いと思っていた友達にお金貸してと言われた時ですね。
創造物では、やり直し系の物語で、酷いことをしてきた人と幸せになると、やり直し前の主人公を思ってやるせない気持ちになります。
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君を責めれば、君は立つ瀬が無いだろう。
でも、謝らせたいわけじゃない。
君を追い詰めた諸々と
君のその上での優先に
理解はするから
遣る瀬無い気持ちになるんだ
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立つ瀬ない
遣る瀬無い
狭いところの意味で瀬を使っているみたいな話も読みましたが、押し寄せる感情や批判が波のようにくるイメージが合ってぴったりな漢字だよなと思っています。
憤懣やる方ないとか、忍びないとか、感情を表す「ない」シリーズって改めて考えると結構面白いです。ちゃんと私理解しているかしら。
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テーマ 海へ
舐めて涙と同じでしょっぱいことを確かめて
潮の満ち引きの跡を確かめて
絶え間ない波が足の指をさわさわするのを確かめて
ようやく宇宙に住む生き物だって実感するの
海から来た生き物だって実感するの
自分がまるで電子データのように感じたら
大きな巻貝を耳に当てて海へ行く
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大きな巻貝に耳を当てると潮騒のような音が聞こえるのは何故かというと、自分の耳の中の血管が脈打つ音等が貝に反響するからという説が好きです。他にも潮騒と同じような範囲のノイズだけが貝に共鳴するからというような説もあって、どれが真実かはわかりません。ただ耳の中の音説は、私の身体の中にも海があるようで良いよなと思っています。
テーマ 裏返し
罰則なき 法を守らせる 難しさ
社会からの 躾かと 我が身と我が子を見比べる
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我が子は自分の裏返し。…裏返しと鏡って似てますね。
躾と称して虐待するのはダメだという総論に異論はそこまで出ないでしょう。でも、大声で怒鳴って叱ったり、叱る時に机を叩いて怖い親になることが虐待かどうかは異論があると思っています。なるべくならば、本当にしたくないし、滅多にしないのですが、こちらからしたらヒヤリハットなのに実感していない子どもからしたら、怖くない親に従える子どもって少数なのではとも思うのです。
大人でさえ、一見自分には不利益がないこと、自分だけではないことは、守らない人も多い。もちろん法を守れば、マナーを守ればそれでいいわけでは決してないし、ちゃんと考えて判断した結果ならそれでいい場合もあるけれど、なんとなく破ってるってのが怖い。例えば、大人の自転車のヘルメット、図書館の返却期限、自転車の左側通行の徹底、マナーに至っては、さて。
うーん、真面目な標語みたいなのになってしまった。たまにはそういうのもありかな。
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・リバーシブルの子供服が便利でお気に入りな話
・畳は日焼けしたら裏返して使うものなの知らんかったSDGs
・愛情の裏返しはどこまで許されるかを人類ずっと悩んできたとこあるけれど(急にクソデカ命題)、結果論みたいなとこあるよね。
・ちくわを一生懸命裏返しているブログを見つけてただただ和んだ。
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テーマ 鳥のように
背泳ぎし 飛ぶ夏空に 鳶鳴く
たんこぶを 冷やしに潜る ドルフィンキック
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屋外のプールでは、浮くのが好きです。潜水して底にキラキラ反射する光を見るのも好きです。背泳ぎして空飛ぶ鳥を眺めるのも好きです。まるで自分も鳥のように大空を飛んでいる気分になれるから。
そうやって、頭をぶつけたり、手を擦ったりするのはまぁいつものお約束というやつで。
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鳥のように翼があればなと思うことはあれど、鳥のように嘴があればなとか、卵で子どもを産めればなとか、羽毛が欲しいなとか思わないのは何故かについて考えていたら昨日は寝落ちしました。
ちなみに本当は翼だけあっても空は飛べないわけで天使という文化に対する肯定的感情は外せなさそうではあるけれど、翼を得ても腕は失わないからかもしれないというのが私のいったんの仮説でした。
角とか尻尾とか隠せる牙とかも多分そう。嘴を得たら唇と歯を失い、羽毛を得たら肌を失うもんね。卵を得たら臍を…いや卵は、別の理由かな。
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夜行性の鳥はいるし、鶏が酷いだけで皆が鳥目なわけではないけれど、恐竜の子孫である鳥は基本昼行性で、恐竜に捕食される側だった哺乳類は基本夜行性って話は面白かったです。
だから人間は夜目が割と効く方なのだとか。鳥のように昼行性になれなくても仕方ないのだ。哺乳類だしな。という良い言い訳を手に入れました。