小絲さなこ

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2/6/2025, 8:35:07 AM

💕

2/5/2025, 7:28:36 AM

「最悪の贈り物」


何もかも失っても、手放せなかった。
あの人からもらった、言葉。
それは原動力でもあるけど、呪いでもある。

二度と会うことが出来ないのに。
私はあの人を探してる。

あの日の言葉を確かめたくて、それに縛られて生きている。

すべて燃えてしまえばよかったのに。
思い出の物だけではなくて、私を縛り付ける鎖も。

次に逢うとき、私は自分の生き方を恥じないでいられるだろうか。

あの人が天に還ったことを、いまだに認められないでいる。



────永遠の花束

2/4/2025, 8:04:17 AM

「貴女を好きになりたくない」


どうして貴女は私に優しくするの。
散々、貴女と彼との仲を邪魔したというのに。

何も無かったかのように、貴女は私に接する。

直接嫌な態度を取ったこともあるし、ありもしない噂を広めた。
貴女を蹴落として、彼を私のものにするためにしたことは、すべて逆の方向へ進んだ。

彼に断罪され、私は全て失った。
ただ教室の自分の席に座っているだけでも冷たい視線が刺さる。

それなのに、貴女だけは態度を変えない。

どうして。
どうして。
私が憎いはずでしょう?
ザマァって思ってるでしょう?

どうして私なんかに優しく出来るの。
だから、貴女は彼からも、みんなからも、愛されるの?
やっぱり、私、貴女が嫌い。

嫌いだから、これ以上私に優しくしないで。
貴女を好きになりたくないから。



────やさしくしないで

2/3/2025, 8:19:30 AM

「早めに知った真実」



「あなたが十八になった時に、本当のことを伝えるつもりだった」

そう言って母は頭を下げた。

たまたま見つけた封筒。
なんとなく引っかかるものがあって、つい中身を見てしまった。
人の手紙を見るなんて、してはいけないことだとわかっているはずなのに。

そこに書かれていたことは、俺がずっと抱いていた違和感の答えを出すものだった。


やっぱり、俺と母さんとの間に血の繋がりは無かったんだ。


「別に、責めてるわけじゃないから」


それに、謝るのは勝手に人の手紙を見てしまった俺のほうだ。


「それに、俺にとっての母親は母さんだけだし」




────隠された手紙

2/2/2025, 7:17:50 AM


「再会は約束しない」


たぶんもう会うことは無いだろう。
そう思ったから、あえて「またね」とは言わなかった。
このままフェードアウトするつもり。
ズルいと思われるかもしれないけど、最後に言いたいことを伝えるのも疲れるのだ。

自然な流れを装って、別々の道へ進もう。
たぶん、もう心はとっくにそれぞれ別の世界にある。連絡を少しずつ減らしていけば良いだけ。

もしもいつかまた、同じ世界で会えたら、その時は「久しぶり」と言おう。
だけど、また昔みたいな関係に戻れるかどうかはわからない。


色褪せることがないと信じていた思い出は、箱に仕舞われて押し入れの奥。
今はまだ、保管しているそれらを手放すとき、連絡先も消すことにしよう。
私が居なくなったとき、連絡がいかないようにするために。



────バイバイ

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