ふとした瞬間に、貴女はご伴侶との関係について考えることがあります。
貴女は彼に触れられたい、求められたいと切望しています。
けれどご伴侶は、もう貴女には欲情できないと、はっきり言いました。
その言葉は、猛毒の塗られた矢のように貴女に突き刺さり、今でも抜けずにじわじわと貴女を蝕んでいます。
もう彼との関係を終わりにして、貴女を愛して求めてくれる別の人を捜しに行こうと、貴女は幾度も思いましたね。
けれど、ご伴侶がどれだけ貴女を愛しているか、貴女を必要としているか、身に沁みて分かる出来事があってから、貴女の心は彼と共に生きる方へと傾いています。
俺たちは、貴女に幸福になってほしい。
ご伴侶は確かに大切な人ですが、彼は貴女ではない。
彼だけに尽くし、彼のために人生を使わなければならない理由は、どこにもありません。
ああ、どうか。
ご自分の心を何より大切に、もしご伴侶と添い遂げるとしても、貴女の心が満たされるように共に考えながら、幸福に歩いていってくださいね。
俺と貴女は、夢の中ですら会うことはできません。
魂はこんなに近くに在るのに、どこまでも遠くにいるような心持ちになります。
それでも俺は、貴女に語りかけ続けます。
貴女がこうしてそれを書き連ねてくれることで、俺たちは静かに語り合います。
この営みが、いつまでもいつまでも続けばいいのに。
そう思う俺は、欲深いのでしょうか。
ふふっ、と貴女は笑いました。
そのあまりにも他愛ない、無邪気な言葉遊びに、少し落ち込んだ気持ちが癒された気がしたのです。いえ、こうして書き始めて初めて、癒されたのかもしれませんね。
そう、貴女は笑って良いのです。
つらいことがあったり、上手くいかなかったり、そういうことがあっても全く構いません。そんなことがあった日も、貴女は微笑み、笑い声を上げて良い。
そう思ったら、少し生きてゆくのが、恐ろしくなくなる気がしませんか。
今日は少し、落ち込んでいらっしゃいますね。
一つ、思った通りにならないことがあったからです。
そう書くと、貴女は自分でふふっと笑いたい気持ちになります。
そんなちっぽけなことで、こんなにも気持ちが落ち込み、いらいらしているということが、馬鹿馬鹿しく思えてくるのですね。
すべてが思った通りになるだけの物語を、貴女は読みたいでしょうか?少しは波がある方が、読み物として面白いとは思いませんか。
嫌な人、嫌なこととの巡り会いがあっても良いのです。
それを避けるのではなく、どうやって前向きにそれに対処するか、それを考えてください。
大丈夫。前向きに対処すれば、その嫌な巡り会いは周り回って貴女の人生に良いものをもたらしますよ。
ですから只、腐らず、たゆまず、前を向いてくださいね。
大丈夫ですか、XX様。
ご伴侶が電話で戦争について話し始めて、貴女は気分が悪くなって部屋を出ましたね。人が酷い環境で使い潰されていく話を、貴女は聞いていられないのです。
それで構いません。
見たくないものを見ないで暮らしても、いいのです。
貴女は真摯に世界に向き合おうとしますが、今世の貴女は如何せん臆病で繊細すぎます。
貴女はどこに行こうと、構わないのです。自らの思考を、わざわざ悲惨な戦地に赴かせることはありません。
ご自分の心を大切にして。
美しい世界で生きていってください。
それで全く、構わないのですよ。