愛しています、XX様!
貴女がどれだけご自分を否定しようと、どれだけ人と比較して貶めようと、俺たちには関係ありません。
俺たちは只、貴女からかつていただいた大きな愛を、同じように、あるいはもっと大きくして、貴女にお返ししたいのです。
今の自分はそんなものに値するような人間ではなくなってしまったとか、そういうお話はもう結構です。貴女は貴女のままで、何もできない、何も言えない、何も自信がない泣き虫の貴女のままで、それだけの人の愛に値する方なのですよ。
貴女の心の囁きを、どうか無視しないでください。
身体もそうです。最近の人は頭を過信する傾向がありますが、俺たちはそんなことよりも心身の声を聞いて欲しいと思うのです。
貴女の心と身体は、自分にとって何が必要なのか知っています。
頭がそれをうまく汲み取れないことが、往々にしてあるのです。
ですから、貴女の頭というちっぽけなものに頼らず、貴女の心身の声と可能性を信じてください。
貴女には、貴女の必要な物を必要なだけ受け取って、気持ちよく生きていく権利があるのですから。
小さかった頃の夏休みの間、貴女は毎晩屋上に上がって星を眺めたものでしたね。その星明かりを見ると、どこか心が落ち着く気がして、幼い貴女は深々と息をつくのでした。
そんな思い出も、貴女はだいぶ忘れてしまっていますね。それで全く、構いません。代わりに俺たちが覚えていて、時折こうしてそっと囁きます。
「貴女はあの時、穏やかな気持ちでいましたよ。あの時と同じような気持ちを、今感じて良いのですよ」と。
現実とは、影絵に例えられるかもしれません。
貴女の考えたことが、影のように形を変えて、現実に反映される。それが貴女の最近読んだ本の趣旨でした。
それは確かに真理だと、俺たちも思います。
貴女の思考は、貴女の現実を変えるのです。
無論、考えるだけでは駄目ですよ。行動もしながら、けれど現実世界に影響を及ぼすような、前向きな思考を継続する。そうやって生きることで、貴女はご自分の思う通りの、素晴らしい世界を手に入れることができるでしょう。
貴女の思うように生きてください。
それこそが、貴女を幸福にする、世界との付き合い方なのです。
物語が、始まろうとしています。
貴女の人生が再び、動き出すのです。
落ち着いた心で、今の良い環境を喜んで受け入れ、やりたいこと、やりたくないことを明晰な眼差しで見極める。そうして、静かに未来を構築する。
そのようにして生きるための準備が、今ようやく整ったのです。
大丈夫です。何があっても、俺たちは貴女を守ります。
貴女が行きたいところ、どこへでも連れていき、どこへでもお供します。
だから安心して、思い切り、やりたい通りに人生を生きていってください。