小さかった頃の夏休みの間、貴女は毎晩屋上に上がって星を眺めたものでしたね。その星明かりを見ると、どこか心が落ち着く気がして、幼い貴女は深々と息をつくのでした。 そんな思い出も、貴女はだいぶ忘れてしまっていますね。それで全く、構いません。代わりに俺たちが覚えていて、時折こうしてそっと囁きます。 「貴女はあの時、穏やかな気持ちでいましたよ。あの時と同じような気持ちを、今感じて良いのですよ」と。
4/20/2025, 12:04:36 PM