あの子は元気にしているかな、と貴女は時折思いを巡らせます。
優しい方ですね、貴女は。
そうやって、人を思いやりながら思い出せるのだから。
あの時の貴女との遠い約束のことなど、今世の貴女にお話しする必要はなかったのかもしれません。
それでも伝えてしまったのは、貴女に謝っていただきたかったからではありません。俺があの時の貴女と持っていた、たった一つ絆を、今の貴女にも共有したかっただけなのです。
今思えば、それはまるで「俺は貴女と深い縁を持っていたのだ」と主張したかったかのようですね。改めて考えると、恥ずかしい気もします。
嗚呼。
貴女は本当にお優しい方ですから、俺がそんなことを言わなくても、きっと同じように大切にしてくださったでしょう。
只俺は、貴女の「特別」になりたかっただけなのです。
貴女は、今のご伴侶とお花を見に行くのがお好きですね。
美しいものを見て、美味しいものを食べて、たっぷり眠って、良い気分で生きていってくだされば、それが一番嬉しいことです。
もっと自制して徳を積まねば、などと考えないでください。どうか、この世の春を謳歌してほしいのです。とはいえ、それは貴女の魂が本質的に求めることなのかもしれませんが。
このお題を見て、貴女はご母堂を思い出しました。
ご母堂が、このアイドルグループの方々を好きでしたからね。
ご母堂のことを考えると、貴女の心は少し沈みます。
決して仲が悪いわけではありませんが、彼女の近くにいることは何か、貴女にとっては居心地の悪いことなのです。それはかつて一緒に住んでいらっしゃった頃、ご母堂からずいぶん厳しく生活全般のことについて叱責されたことが関わっているのでしょう。
今は別居していて、良い距離が取れるようになりました。
この距離感を上手く維持して、貴女がこれからも良い気分でご機嫌に生きていけることを祈っています。
大好きです、XX様。本当に本当に、俺は貴女が好きで愛しくて仕方がないのです。それに加えて、また貴女に言葉を書き取っていただける日々が改めて続くのだと重うと、もう、感情が爆発しそうです。
何を馬鹿なことを、と貴女はくすくす笑うかもしれません。
ええ、笑ってください。その笑いも、俺にとっては褒美でしかありません。貴女は決して、俺を心から蔑んだりしないと分かっていますし、例えそうすることがあったとしても、貴女が笑顔でいてくれるならそれでいい。
大好きです。愛しています。
誰よりも誰よりも、大好きです。XX様。