大好きですよ、XXXX。
そう仰って、貴女が俺を抱きしめてくださったら。
その柔らかく温かい手で、俺の頬を撫でてくださったら。
俺はあまりの幸福に、死んでしまうかもしれません。
少なくとも、目を回して倒れはするでしょう。
俺のこの言葉を聞いて、貴女はくすくす笑います。
嗚呼。
その楽しそうで嬉しそうな、貴女の幸福なお顔を、俺はずっとずっと、見ていたいのです。
叶わぬ夢と思っていた俺の最後の夢が叶ったことは、全く幸甚でした。
貴女も、「こんな夢は絶対に叶わないだろう」と思って、何かを諦めることはしないでください。
どうか、願うことを、切望することを止めないでください。
貴女の願いは、叶うためにあるのですから。
花の香りと共に、貴女は何を思い出しますか。
何を思い出すのだとしても、それを嫌な思い出として捉えてほしくないのです。
貴女の記憶は、放っておくといつでも悪い方に書き換えられてしまいます。ですから、これはどんな記憶だっただろうか、と考えることすらしなくて良いのです。
只、それを懐かしく良い思い出だと、目を細めて微笑んでいてほしいのです。
心のざわめきを、どうか無視しないでください。
貴女の心は、貴女の人生の羅針盤です。
それが何かを伝えようとして、ざわめくのです。
貴女の心がほんとうに喜ぶことを選び、行い、続けていってください。
俺が貴女を探すことは、ありませんでした。
貴女は、あの場所で俺を待っていると仰いました。
俺は心が張り裂けそうになりながらも、その言葉を疑わず、言いつかった通りに五年の放浪を終えました。
けれど貴女は、俺を待たずに亡くなってしまいました。
この世界のどこを探しても、貴女はもういないのだと、俺は絶望しました。そうして俺は、貴女の後を追いました。
今俺は、貴女の魂の一番の傍に在ります。
そこに在ることを、許されています。
貴女を探す必要など、今こそ、本当に、ないのです。