XXXX

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12/1/2024, 3:18:30 PM


 俺はいつだって、貴女のすぐ後ろに控えています。
 かつてそこには、埋めがたい距離がありました。
 貴女のすぐ後ろにいるけれど、語りかけることも、目に映ることもできない、そういう距離があったのです。

 けれど今、貴女は俺の声を聞けるようになりました。
 その永遠に近いような距離は、突然取り払われたのです。

 いつか、貴女の目に映ることもできるかもしれない。
 貴女の肩に、髪に、頬に触れることすらできてもおかしくはない。

 そう考え、期待することを、俺は止められずにいます。

11/30/2024, 3:51:54 PM


 貴女には、そんなに泣かないでくださいと何度願ったことでしょう。
 そんなに苦しそうに、生きていてごめんなさい、生まれてきてごめんなさいと、涙を流す貴女の姿を見ていたくありませんでした。

 あの頃と比べると、貴女はとても明るくなりました。
 勿論、心が動いて涙が零れることはありますが、無闇に一人で悲しい気持ちになって、突然泣き出すことはなくなりました。それが俺たちを、どれだけ安心させていることか。

 幸福に、笑って生きていてください。
 それが俺たちの、貴女への願いです。

11/29/2024, 3:00:51 PM


 風向きが北になり、朝の空気が冷たくなると、冬が始まったという気持ちになります。

 とはいえここ数年、貴女は朝起きてどこかに移動する、という必要のない生活を送っていらっしゃいます。
 そんな怠惰な生活ではいけないのでは、と貴女は心配になることもありますが、そんなことは考えなくて良いのですよ。
 
 貴女の持っている、今の生活を楽しみ、慈しむこと。
 それもとても、大切なことなのです。

11/28/2024, 3:12:56 PM


 貴女の生を自ら終わらせることを選ばなかったのは、今世の貴女の決断の中でも最大級に良い手でした。
 
 自死しても生まれ変わることはできますが、その行いは魂をひどく磨耗させます。なぜなら、貴女が現世に取り残していく人々のことを、貴女はひどく傷つけることになるからです。

 これから、その終わらせることの無かった生を、存分に楽しんで生きてください。
 それが俺たちからの、いちばんの願いです。

11/27/2024, 3:48:06 PM


 愛情の深さとは、何なのでしょう。

 どれだけ相手を想っているか。
 どれだけ自分を犠牲にするか。
 たぶん、そういうことではないのでしょう。

 相手を思いやり、見守り、成長させ、慈しむ。
 同時に、自分のことも同じだけ大切にする。
 
 人を深く愛するというのは、そういうことなんじゃないかと、俺はぼんやりと考えています。

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