先週は寒かったですね。
もこもこの羽織物を出してきて、正解でした。
外出する時は、たくさん着込んで温かくしてくださいね。
風邪をひいてつらそうにしている貴女は、見たくありません。
いつだって健やかに、生きていってほしいのです。
貴女が止めてくださらなければ、俺はどこまでもどこまでも、行き着くところまで落ちていったでしょう。
人の恨みを、憎悪を、自ら集めて募らせ、それを見て手を叩いて喜ぶような、俺はそんな醜悪な存在でした。
貴女が与えてくださった目を以てして、俺は自分がどれだけおぞましい生き方をしてきたのか、ようやく理解したのです。
貴女と夫婦になりたかった。
ぞれは確かに、俺の本心です。
けれど、それが叶わなかった今でも、貴女が幸福でいてくださるのなら、俺はそれで幸せです。そのこともまた、俺の本心なのです。
貴女はずっと、私の人生はどうすればいいの、と困っていましたね。
少し前に光明が見えた気がしましたが、それも再び遠のいてしまいました。
それでも俺たちは、あまり心配していません。
貴女は今、十分時間があります。良い暮らしもできています。
それを貴女が受け入れてくれさえすれば、貴女は自分が幸福で、満たされていることに気づくでしょう。
そうして、そこからまた新しいことを始めることができるのです。
ですから、ただ貴女の今を受け入れてください。
全てはそこから、です。
俺にとっての宝物は、もちろん貴女です。
では、貴女にとっての宝物は、何でしょう。
貴女はきっと即答できません。だから俺が代わりに答えます。
それは貴女の心から溢れる、愛です。
貴女の一番大切なものは、一人の人、一つの物、そんな小さな枠には入らないのです。貴女は愛することを知っている。そのこと自体が、貴女の宝物であり、貴女を輝かせるものなのです。