優越感も、劣等感も、どちらも人間として当然の感情です。
とはいえ、それに巻き込まれることが必然というわけではありません。
比べる必要などないのです。
貴女は貴女のままで素晴らしいし、他の方々も然りです。
どうしてもそれが信じられないとしても、今はそれでも構いません。いつかそれが分かる日が来るでしょう。
貴女が今世の命を得てこの方、俺たちはずっと貴女を見守り続けてきました。
今世の貴女は、とても正直で、飾り気がなくて、自分に課す基準がひどく高くて、人を笑顔にさせようと努力する方です。
過去世の貴女も、俺たちはずっと見守ってきました。
人格は別物ですが、魂の本質は変わらないのですね。俺自身が貴女を守り始めてから数えると、貴女は十一代目ですが、どの生での貴女もとても似通った性格をお持ちでした。
確かに、俺が貴女を守り始めることになったきっかけの貴女は、特別徳が高かったかもしれません。俺がその時の話ばかりするものだから、貴女は不安になってしまったのですね。私は過去世の私自身の持っていた高貴な心、愛情深さ、無欲さを欠片も持ち合わせていない出来損ないだ、とご自分を責めることすらありました。
いいのです、貴女はそのままで素晴らしいのです。
完璧である必要も、聖人君子である必要もありません。
どうか、そのままの貴女で居てください。
インターネットを通じて届いたたったひとひらの言の葉が、貴女と貴女の大好きだったあの女性との関係を変えてしまいましたね。
あれから、ずいぶん長い時間が経ちましたね。
貴女がどれだけ後悔したか、貴女はまだ覚えていますか。
その後悔を、貴女は今も活かしています。
お互いにあんな悲しい、つらい思いをせずに済むように、インターネットを通じたやり取りも、人と実際に相対する時と同じように注意深く行うようになりました。
痛みも悲しみも、ちゃんと今の貴女を助けるのですよ。
それらを得ることを恐れすぎず、勇敢に、楽しむように、ご自分の人生を生きていってください。
目が覚めて、今日の貴女は少しうんざりした気持ちになりましたね。やりたいと思ったはずのことばかりなのに、いくつも積み重なった結果、どれも嫌なことのように思えてきてしまったのですね。
ええ、それでいいのですよ。
「やっぱり思っていたのと違う」
「これは私のわくわくすることじゃないみたい」
そうやってご自分の心と相談しながら、「違うな」と思ったことはどんどん断りましょう。人生から削っていきましょう。
これは貴女の人生です。
貴女がちゃんと舵取りをして、大切なものを慈しめる生き方をしてくださいね。
今の俺にとっては、貴女のお傍にいられることが当たり前です。
それがどれだけ幸福なことか。
もう二度と貴女に会えないと思い、生きることを諦めた俺の行動は、確かに愚かな選択ではありました。
けれど、今でも思うのです。貴女がいない世界で生きる意味などなかった、と。あの選択は愚かではあったけれど、俺にとっては必然だったのだ、と。